構成・文・CDセレクト=芳岡正樹
アーカイブ・シリーズ「『レコード芸術』新譜月評クロニクル」の第4回は、1976年前篇として1月号~4月号をひもときます。当連載では現「レコ芸ONLINE」月評レギュラー筆者でもある芳岡正樹氏に、1975年1月号から順に “再読/抜粋” いただきレコード界を振り返っています。後に「名盤」と呼ばれるようになるレコードが初出時どのように評されたか? 興味は尽きません。
【編集部よりお知らせ】当連載「『レコード芸術』新譜月評クロニクル」は、編集部の都合により、次回から隔月更新に変更いたします。第5回(1976年-中篇)は2026年9月2日の公開を予定しています。




SPレコード時代からLP/CD時代へのメッセージ
1976年1月〜4月の新譜でまず目立つのは、戦前のSPレコード時代から活躍した老巨匠と、戦後派の新進若手を共演させた話題のセット物2組の登場である。
1つは2月号の室内楽曲で推薦を得た、シモン・ゴールドベルク(ヴァイオリン、1909〜93)とラドゥ・ルプー(ピアノ、1945〜2022)によるモーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ集(全16曲、LP6枚組)。もう1つは4月号の新譜月評で推薦を得た、アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ、1887〜1982)とダニエル・バレンボイム(指揮、1942〜)ロンドン・フィルによるベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集(全5曲、LP5枚組)である。ゴールドベルクとルプーは36歳差、ルービンシュタインとバレンボイムは実に55歳差の共演だった。
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