NHK交響楽団創立100年特別企画

N響に登場した巨匠指揮者列伝
第5回 シャルル・デュトワ

N響に登場した巨匠指揮者列伝特別企画
この記事は約7分で読めます。

創立100年を迎えたNHK交響楽団の歴史は、巨匠指揮者たちとの出会いの歴史でもあります。本連載では、N響の舞台を彩った名匠たちを各回一人ずつ取り上げ、その人物像、芸術の真価、そしてN響との代表的録音までを総覧。演奏会の記憶とディスクを結び付けながら、日本のクラシック音楽史の豊かな系譜を読み解いていきます。

[関連リンク]
・デュトワのNHK交響楽団演奏記録(NHK交響楽団「演奏記録アーカイブ」より)

・NHK交響楽団トップページ

♪「N響に登場した巨匠指揮者列伝 第1回 ロヴロ・フォン・マタチッチ」はこちら(無料公開)

♪「N響に登場した巨匠指揮者列伝 第2回 オットマール・スウィトナー」はこちら

♪「N響に登場した巨匠指揮者列伝 第3回 ヴォルフガング・サヴァリッシュ」はこちら(無料公開)

♪「N響に登場した巨匠指揮者列伝 第4回 ホルスト・シュタイン」はこちら

♪「N響とベートーヴェン――録音でたどる名演の歴史」はこちら(無料公開)

Text=広瀬 大介(音楽学)

シャルル・デュトワ(1936~)

(c)Priska Ketterer

N響初登場時からさっそく多彩なプログラムを展開

前回、筆者はサヴァリッシュについて執筆した際、N響が1960年代以降、1996年にシャルル・デュトワを迎えるまでの間、常任の指揮者をいっさい置かなかった、と記した。今回、その常任指揮者となったデュトワを採り上げるにあたっては、就任した1996年から話を始めるのが筋なのだろうが、まずはその初登場、9年ほどさかのぼりたい。

デュトワがN響の指揮台に初めて立ったのは、1987年9月4日、サントリーホールでのことである。「NHK交響楽団シリーズ’87/都市と音楽IV パリ1913年」と題された一夜で、曲目はドビュッシー《遊戯》、ラヴェル《ダフニスとクロエ》第2組曲、そしてストラヴィンスキー《春の祭典》。いずれも1913年前後のパリに生まれた3曲を並べたこの選曲は、いま振り返れば、その歴史的意義を感じさせるだけでなく、そこから始まるデュトワとN響の関係の予告篇のようにも見えてくる。けっしてひんぱんに演奏されるわけではない《遊戯》を敢えて入れていることも含めて、チャレンジ精神が伝わってこよう。

このとき、続けて指揮した定期3プログラムの演目を見れば、なおその傾向ははっきりするだろう。ベルリオーズ《ファウストの劫罰》、リヒャルト・シュトラウス《ドン・ファン》、リムスキー=コルサコフ《シェエラザード》とサン=サーンス《交響曲第3番》。これ以降、デュトワとN響が「勝負」をかける際には、ここに挙がった作曲家の作品が数多く登場することになる。

写真提供:NHK交響楽団

このコンテンツの続きは、有料会員限定です。
※メルマガ登録のみの方も、ご閲覧には有料会員登録が必要です。

【有料会員登録して続きを読む】こちらよりお申込みください。
【ログインして続きを読む】下記よりログインをお願いいたします。

0
タイトルとURLをコピーしました