『レコード芸術』新譜月評クロニクル

【第6回(最終回)】1976年(後篇)9月号~12月号
話題性だけでなく聴き応えも満点

『レコード芸術』新譜月評クロニクルレコ芸アーカイブ
この記事は約13分で読めます。

構成・文・CDセレクト=芳岡正樹

アーカイブ・シリーズ「『レコード芸術』新譜月評クロニクル」は、今回の1976年後篇(9号~12月号)が最終回となります。当連載では現「レコ芸ONLINE」月評レギュラー筆者でもある芳岡正樹氏に、1975年1月号から順に “再読/抜粋” いただきレコード界を振り返ってきましたが、半世紀前の当時、後に「名盤」と呼ばれるようになるレコードが次々産み落とされ、いかに活況を呈していたかを今さらながらご実感いただけたかと思います。

没後150年に向けた2つのベートーヴェン交響曲全集

今からちょうど50年前の1976年9月~12月の新譜月評を眺めると、翌1977年ベートーヴェン没後150年を意識した「交響曲全集」録音の競合と、例年通りレコード賞狙いの「オペラ」リリースの集中である。もちろん、当時の世界経済はオイルショック後の停滞期にあり、後者は例年に較べて量的にやや淋しいものとなったが、質的には毫も劣るものではなかった。

まず12月号でクーベリック盤とショルティ盤が競合したベートーヴェン「交響曲全集」について、月評で大木正興氏はともに「推薦」とし、クーベリックに2ページ、ショルティに1ページを割いて詳しく論じている。

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