柴田南雄『名演奏のディスコロジー』 #11

名演奏のディスコロジー 第11回 べルマン・ラプソディー

復刻!柴田南雄の名連載レコ芸アーカイブ
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VICC2022
1963年録音のリスト《超絶技巧練習曲集》を収めるアルバム[メロディア]のジャケット

柴田南雄の連載、「名演奏のディスコロジー」の再掲載10回目です。
『レコード芸術』1976年1月号から77年12月号まで、計22回続いた本連載の第11回には、伝説的人気を誇るピアニスト、ラーザリ(ラザール)・ベルマン(1930~2005)が登場!
この「幻の巨匠」は、彗星のごとく西側諸国へデビューしたばかり。自らの「片寄り」に向き合いつつ、努めて冷静にベルマンを評価しようと試みる異色回です。

※再掲載にあたり「アルヘリッチ」を「アルゲリッチ」にするなど、一部に変更を加えています。
※そのほかの文中の記述・事実関係などはオリジナルのまま再録しています。
※文中レコード番号・表記・事実関係などは連載当時のまま再録しています。

ベルマン現象を細大洩らさずファイルしている男がいる。彼の登場の予言から、レコード産業のしつこいキャンペーン、法王カラヤン(音楽界の帝王はレコード界の法王と呼ぶにふさわしかろう)のエスコートぶりから、日本のレコード・ジャーナリズムの騒ぎぶり、はしゃぎすぎは何先生で意外と冷静は何先生、というのまで一目でわかるという。ひどい話だ。

「それにしても柴田さんのベルマン観はちょっと片寄っていませんか」

「え?どうして?」

「武田さんとの対談ですよ」

「何をしゃべったっけ?」

そう言えば数か月前に武田明倫さんと演奏について対談した時、話がベルマンに及んだ。その雑誌を引っぱり出してみると、なるほどわたくしはそこで次のようなことをしゃべっている。

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