
今年2025年は、ドイツの名バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925.5.28~2012.5.18)[文中、DFDと略記]の生誕100周年アニバーサリー。ドイツ・リートをメインに、オペラ、宗教曲にも膨大な録音を遺した彼の、いずれも第一級の芸術品を、季節に合わせたテーマに沿って、吉田真氏のナビゲートで毎週紹介しています。今回から2週にわたってヴェルディ、プッチーニを取り上げます。DFDはイタリア・オペラにも、母語ではないことなどものともせず、多くの名録音を遺しています。なおヴェルディの方は、季節の指定は曖昧なようですが(《椿姫》は初夏前後に始まり終幕は翌年の謝肉祭の頃、等々)プッチーニでは《トスカ》が明確に1800年6月14日(マレンゴの戦い当日)と書かれており、それに合わせて6月はイタリア・オペラで幕を開けることにします。

ヴェルディの、というよりシェイクスピア、シラーの演者として
文=吉田 真
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