音符の向こう側連載

【連載】音符の向こう側/城所孝吉 第10回

音楽評論家・城所孝吉氏の連載、第10回は、前回に引き続き、指揮者とオーケストラの関係について、アバドとベルリン・シュターツカペレ、ショルティとベルリン・フィルの演奏を実例に考察します。指揮者によってオーケストラの音が変わる、つまり、ある指揮者がどのオーケストラを振ってもその指揮者特有の響きになる、という現象は一体どういうことなのか。この根源的な疑問に挑みます。

アバド特有の響き、ショルティにしか出せない音

前回では、指揮者とオーケストラの演奏において、解釈が言葉や棒のテクニックで伝えられるものなのか、ということを考えた。そこでわかったのは、そうした実際的な手段のほかに、決定的な伝達のあり方が存在するらしいということだった。「アバドがささっと手を動かすだけで、オーケストラ全体の音色が変わる」というのは、どういうことなのだろうか。

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