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1959年東京都杉並区生まれ。音楽評論家。コピーライターを経て、40歳を目前にして名刺に音楽ライターと刷り込んで以来、音楽誌やCDのライナー・ノーツの執筆を中心に活動中。内外の音楽家へのインタビューも数多く手がけている。旧『レコード芸術』誌では、新譜月評で交響曲を担当。著書に『ON BOOKS advance もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ②ストラヴィンスキー:《春の祭典》』(音楽之友社)がある。2016年からNHK-FMの『名演奏ライブラリー』で案内役を務めている。
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早熟の作曲家

2005年1月号から始まった当コーナーは、順調に12月号を迎え、早くも11人の作曲家が登場した。2005年に関しては、アニヴァーサリーを迎えた作曲家の数が多く、11月号までに登場しなかった御仁には、生誕100年組だけに絞っても、エドゥアルド・トゥビン(82年没)、ダーグ・ヴィレーン(86年没)、さらにはジャチント・シェルシ(88年没)といった名前を挙げることができる。「トゥビンは、2月号で取り上げたブリッツスタインよりも、遥かにメジャーではないか」という声も聞こえてきそうであるが、これは昨年11月号の特集「北欧の指揮者と交響曲」で、取り上げられたために今回は見送りになったとご理解いただければ幸いである。
ちなみに1905年という年は、イギリスの作曲界にとっては、大いなる当たり年であり、アラン・ロースソーン(71年没)、ウィリアム・オルウィン(85年没)、マイケル・ティペット(98年没)が生まれている。ハンガリー生まれで、ナチスが政権を獲得した後、イギリスに移ったマティアス・セイバー(60年没)も、1905年生まれだ。順当に考えれば、ティペットにスポットを当てるべきなのかもしれないが、ある日、海外のサイトをあれこれと覗いていたら、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン響、クリスティーナ・オルティスのピアノ独奏ほかによるランバートの《リオ・グランデ》が、初CD化されるというニュースが出ているではありませんか! そう、コンスタント・ランバートもまた1905年生まれの作曲家なのだ。
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