ピアニスト 伊藤順一による、
ショパンのピアノ独奏作品全曲録音プロジェクトが始動!

レポート
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8年に及ぶ「ザ・ショパン・ツィクルス」プロジェクトを開始したピアニストの伊藤順一

取材・文=編集部

クラシック専門レーベルのアールアンフィニがナクソス・ジャパンと共同で、ピアニスト伊藤順一によるショパンのピアノ独奏作品全曲録音プロジェクト「ザ・ショパン・ツィクルス」を始動する。遺作や作品番号のない小品、演奏機会の少ない作品まで含む全214曲を、全12集、約8年をかけて収録する計画で、第1集『マエストーソ』は2026年9月16日にSACDハイブリッド盤で発売される。発売を前に東京・汐留で行なわれたプレス・コンファレンスの模様をリポートする。

企画の発端は、レーベル代表で音楽プロデューサーの武藤敏樹氏が伊藤のデビュー盤に収めた《ノクターン第17番》の録音に立ち会い、その演奏に涙が止まらなくなるほど心を動かされたことだったという。伊藤は録音を通じて、コンサートと録音では求められる表現が異なることを実感したという。演奏会ではホールの空気や聴衆の反応を感じながら音楽を変化させる一方、録音では、完成したディスクからどのように音が聞こえるかを想像し、強弱やタッチ、ペダルをより細かく調整する必要がある。武藤氏から「100%ではなく120%の表現を」と求められることもあり、通常の演奏会以上に振幅の大きな表現に取り組んでいる。

アールアンフィニ代表で音楽プロデューサーの武藤敏樹氏と伊藤順一

録音はDSD 11.2MHzで行ない、編集はPCM 24bit/384kHzのハイレゾ環境で実施。武藤氏によると、録音に際してはイコライザーやリミッター、コンプレッサーなどに頼らず、マイクの選択と設置のみによって音を作る方針で、音域もダイナミックレンジも広いピアノを限られたパッケージに収めるには、楽器の状態、ホールの響き、奏者の音色に応じたマイキングが録音の成否を左右するという。第1集の録音は完了し、第2集もほぼ収録済みとのこと。

第1集の発売記念コンサートは、2026年11月25日に東京・銀座の王子ホールで開催予定。今後も各集の発売に合わせ、同ホールでリサイタルを行う計画だ。

ザ・ショパン・ツィクルス~第1集《マエストーソ》
〔バラード第3番,マズルカOp.67-2(遺作),同Op.68-4(遺作),ワルツ第12番(遺作),同第18番《ソステヌート》(遺作),舟歌,ノクターン第17番,同第18番,同第21番(遺作), 即興曲第3番,ピアノ・ソナタ第3番〕
伊藤順一(p)
[アールアンフィニ MECO1092]SACDハイブリッド 

※2026年9月16日発売予定

伊藤 順一(いとう じゅんいち)
4歳よりピアノを始め、東京藝術大学附属音楽高校を経て、同大学在学中の2011年に渡仏。パリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院、パリ・エコール・ノルマル音楽院で研鑽を積む。シャトゥ国際ピアノコンクール、ステファノ・マリッツァ国際ピアノコンクール、ピアノ・キャンパス国際コンクールなどで第1位を受賞。第4回日本ショパンピアノコンクール第1位、第47回日本ショパン協会賞を受賞し、第18回ショパン国際コンクール本大会に出場した。欧州のオーケストラとの共演も重ね、現在は神戸女学院大学講師を務める傍ら、首都圏や関西圏を中心に演奏活動を展開している。

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