最新盤レビュー
ピアニスト広瀬悦子による 魅力と技巧に満ちた千夜一夜物語
広瀬悦子はフランスと日本を拠点に国際的な活躍を続けるピアニスト。数々の国際音楽祭にも招待されているが、やはり「ラ・フォル・ジュルネ」に欠かせないピアニストという印象が強く、数々の公演で大成功を収めている。広瀬は2004年にデビューアルバムをリリースして以来、幅広いレパートリーのディスクでその確かな技巧、美しい音色とスケールの大きな音楽づくりが高く評価されているが、そんな彼女の最新盤は「アラビアン・ナイト」を題材にした楽曲が収められた『シェヘラザード』。中心となる楽曲はアルバムのタイトルにもなっているリムスキー=コルサコフの交響組曲《シェヘラザード》である。オーケストラ作品を広瀬が自ら編曲しピアノ曲として完成させている。