ジョゼフ=ギ・ロパルツ　（没後50年）［2005年10月号掲載］

文・相場ひろ（あいば・ひろ）

1962年生まれ。81年より京都在住。90年から93年までパリ留学、99年より翌年までジュネーヴ在住。現在は大学でフランス語を教えると共に、文学などの講義を担当する。音楽誌などにディスク・レビューを中心としたクラシック音楽に関する文章やプログラムの曲目解説を寄稿する。著書に『ON BOOKS advance もっときわめる！ 1曲1冊シリーズ　 ①ベートーヴェン：交響曲第9番』『同 ⑥フォーレ：《レクイエム》』（音楽之友社）がある。

＊＊＊

ジョゼフ=ギ・ロパルツは1864年6月15日、フランス・ブルターニュ地方の都市ガンガンに生まれた。1955年に亡くなったので、今年は没後50周年にあたる。長寿に恵まれたこともあって、膨大な数の作品を遺したものの、LP時代にはピアノ小品などのごくわずかな録音でしかその名は知られていなかった。しかし近年では歌劇《故郷》をはじめとする大作や多くの室内楽・歌曲など、さまざまなジャンルの作品が演奏・録音され、その復権ぶりには目を瞠るばかりである。本稿では彼の生涯を簡単に追いながら、その主要作品・作風などを紹介していきたい。

こちらの閲覧には有料会員へのご登録が必要となります。