

▲①バリー・コスキー演出,フィリップ・ジョルダン指揮バイロイト祝祭《ニュルンベルクのマイスタージンガー》2018年ライヴBD[DG(D)735453] ②ペーター・コンヴィチュニー演出,ヴァイグレ指揮バルセロナ・リセウ劇場《ローエングリン》2006年ライヴDVD[EuroArts(D)2056008]
《ニーベルングの指環》初演150年&バイロイト祝祭創始150年記念 “序夜と三日間にわたるワーグナー・シンポジウム” の第2日は、演出について(Q.3)指揮・歌唱について(Q.4)。バイロイト100周年のブーレーズ(指揮)・シェロー(演出)チームによる《指環》が一大スキャンダルになった1976年からちょうど半世紀。「大指揮者・大歌手の時代」から「演出の時代」へと転換したこの50年をどう捉え、未来はどう占う? ワーグナーの達人——新野見 卓也(音楽批評・ピアニスト)吉田 真(ドイツ文学・音楽評論)光野 正幸(ドイツ文学)——3氏に、持論を展開いただきます。
(配信済)【Q.1】これまでで最も印象深いバイロイト体験は?
(配信済)【Q.2】《指環》を聴く/観る際のこだわり注目(聴きどころ)ポイントは?
【Q.3】常に賛否両論がある「読み替え演出」の功・罪をどう捉える? そしてその未来は?
新野見:作品を「読み替える」のはバイロイト祝祭の責務かもしれない
「読み替え演出」の功・罪が問題になる際、たいていは「罪」に言及されると思うので(その理由もわからなくはないですが)、あえて「功」に絞って述べます。そもそもワーグナーに限った話ではありませんが、やはりオペラ(のテクスト)の多くは時代の制約から逃れられず、差別や偏見を抱えています。それをあらかじめ業界の内部から批判ないしエクスキューズしておくというのは、オペラという芸術の形態が今後残るために必要な策略だとは思います。「読み替え演出」には露悪的なものが少なくないわけですが、その意味ではそのような舞台には一定の理があると言えます。
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