タワーレコード

シュタルケル DENONレコーディングス〈タワーレコード限定〉

〔DENON原盤ORTマスタリングSACDシリーズ第13回〕

〈シュタルケル 生誕100年記念企画〉

巨匠シュタルケル壮年期の圧倒的名演を捉えた貴重な録音。日本コロムビアへ収録したアルバム、全4枚を3枚組に集成!ORTマスタリングを用いたハイレゾ化による初SACD化。

DISC1はチェコ・スプラフォンと日本コロムビアの共同制作となった『バッハ:チェロ・ソナタ全集』です。チェンバロ奏者のルージチコヴァー(1927~2017)との共演は、シュタルケルの年来の希望でした。シュタルケルは盟友のピアニスト、ジェルジ・シェベック(1922~99)と共演し、同曲を1963年にマーキュリーとステレオ録音していますが、再録音にあたって共演楽器を変更したものと思われます。ルージチコヴァーとは、この録音以前から共演しており(1971年5月22日、シュヴェツィンゲン音楽祭でのライヴが2015年に独ヘンスラーがCD化)、この録音でも息のぴたりと合った見事なコンビネーションで、優美で流麗、かつ完璧な仕上げによる演奏を示しています。

DISC2の岩崎淑と共演した『シュタルケル/白鳥、トロイメライ』と題した小品集はシュタルケル初のデジタル録音となりました。シュタルケルは1970年の3度目の来日時に岩崎淑と初共演し、彼女を激賞。その後も共演を続け、1983年に彼女がヘルシンキで結婚式を挙げたときには、ちょうど演奏会で同地を訪れていたシュタルケルが介添人役を買って出た、という逸話が残っています。サン=サーンスの白鳥、シューベルトの楽興の時、シューマンのトロイメライといった親しみやすい小品から、シュタルケルが「私にとってのチェロの祖父」と呼んだポッパーのタランテッラ、バルトークのルーマニア民俗舞曲、ブロッホの祈り、といった華麗な技巧と民族色が横溢した作品、そしてカサドやピアティゴルスキーといった先輩チェリストによる編曲物まで幅広く収められています(カサド編曲のフレスコバルディ:トッカータは、今日ではカサドの創作と推定されています)。

DISC3は1978年の来日時に練木繁夫(1951~)と共演したアルバムです。練木繁夫はインディアナ大学でシェベックに師事し、はじめ同大学のシュタルケルのクラスで学生達の伴奏を担当しました。シュタルケルの信頼を勝ち得た彼は、1976年より世界各地を公演するパートナーとなりました。この『シュタルケル/チェロ小品集』では、恩師ヴァイナーが編曲した手書き譜を用いたヘンデル:シチリアーノでの味わい深い演奏、ヴァイオリンのG線だけで演奏される曲をフルニエがチェロのA線だけで演奏するように編曲したパガニーニ:「モーゼ」の主題による幻想曲での鮮やかなテクニック、グラナドス:「ゴイェスカス」間奏曲での緩急の幅を大きくとった雄弁な表現力が、特に聴き物となっています。

今回、DISC2と3の各末尾に収録された『カサド/シューベルト/ショパン』では、カサドの無伴奏が、この作品のスペイン的なイディオムを生かした見事な演奏、シューベルトはヴァイオリン曲をシゲティの名演に触発されて自ら編曲した作品で、自在な表現力が素晴らしく、ショパン晩年の名作ソナタでは練木の好サポートもあって、シリアスで深みのある名演が披露されています。

シュタルケル DENONレコーディングス〈タワーレコード限定〉
ディスク情報

【曲目】
シュタルケル DENONレコーディングス
〈DISC1〉『バッハ:チェロ・ソナタ全集』 ヨハン・セバスチャン・バッハ:
1. チェロとハープシコードのためのソナタ第1番 ト長調 BWV1027
2. チェロとハープシコードのためのソナタ第2番 ニ長調 BWV1028
3. チェロとハープシコードのためのソナタ第3番 ト短調 BWV1029

〈DISC2〉『シュタルケル/白鳥、トロイメライ』(1-12)
1. ヴィヴァルディ/J.S.バッハ:ラルゴ BWV596
2. ハイドン(ピアティゴルスキー編):ディヴェルティメント ニ長調
3. サン=サーンス:白鳥
4. シューベルト:楽興の時 第3番
5. ブロッホ:祈り
6. ポッパー:タランテラ
7. J.S.バッハ:アリオーソ
8. フレスコバルディ(カサド編):トッカータ
9. シューマン(ポッパー編):夕べの歌
10. ウェーバー(ピアティゴルスキー編):アダージョとロンド
11. シューマン:トロイメライ
12. バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
『カサド/シューベルト/ショパン』より(13,14)
13. カサド:無伴奏チェロ組曲
14. シューベルト(シュタルケル編):ソナチネ第1番 ニ長調 作品137の1, D.384

〈DISC3〉『シュタルケル/チェロ小品集』(1-9)
1. ヘンデル(ヴァイナー編):シチリアーノ
2 パガニーニ(フルニエ編):モーゼ幻想曲
3. フォーレ:夢のあとに
4. ポッパー:ハンガリー狂詩曲 作品68
5. グラナドス:歌劇《ゴイェスカス》間奏曲
6. ファリャ:火祭りの踊り
7. ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
8. ラヴェル:ハバネラ形式の小品
9. ロッシーニ/カステルヌオーヴォ=テデスコ:フィガロ~《セヴィリアの理髪師》より
『カサド/シューベルト/ショパン』より(10)
10.ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 作品65

【演奏】
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ズザナ・ルージチコヴァー(ハープシコード Disc 1)、 岩崎 淑(ピアノ Disc 2, 1-12)、 練木繁夫(ピアノ Disc 2 14, Disc 3)

【録音】
1977年11月25, 26日 プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)(Disc 1) アナログ録音
1975年3月16, 17日 石橋メモリアル・ホール(Disc 2 1-12) デジタル録音
1978年6月20, 24日 日本コロムビア第1スタジオ(Disc 2 13,14, Disc 3 10) デジタル録音
1978年6月20日 日本コロムビア第1スタジオ(Disc 3 1-9) デジタル録音

【Recordings】
制作担当:ミラン・スラヴィツキー(Disc 1)、結城 亨(Disc 2 1-12)、橋本珠子(Disc 2 13,14, Disc 3)
録音担当:ミロスラフ・クールハン(Disc 1)、林 正夫(Disc 2, 3)
Co-production with Supraphon, Prague (Disc 1)

【原盤】
日本コロムビア

企画・制作:タワーレコード株式会社

タイトルとURLをコピーしました