ファリャ生誕150年&没後80年、ロドリーゴ生誕125年

川口成彦×新野見卓也 スペイン音楽を語る①
アルベニスやファリャの作曲背景には何がある?

ファリャとロドリーゴ特別企画
この記事は約16分で読めます。
MUSIS02
『ゴヤの生きたスペインより』[MUSIS]ジャケット画像

マヌエル・デ・ファリャ生誕150年&没後80年、ホアキン・ロドリーゴ生誕125年を迎える今年2026年、「レコード芸術ONLINE」では、このふたりの作曲家を中心に、スペインのクラシック音楽を深めます。
今回の記事は2026年8月に行なった、長年スペイン音楽への深い探究を続けるピアニスト・フォルテピアノ奏者の川口成彦さんと、最近のめり込み始めたというピアニスト・音楽批評家の新野見卓也さんの対談。ファリャとロドリーゴ、そしてアルベニスのピアノ作品を軸に、スペイン音楽の魅力と可能性について語り合いました。

【記事の目次】
・クラシック音楽の「中心/周縁」を超えて
・「聴かないで。あなたは絶対にハマるから」
・スペイン音楽は日常のなかにある
・「マイノリティの中のマイノリティ」からのまなざし(ここまでPart1)※このページ
・ファリャの最高傑作?
・スペイン音楽の根源にある「歌と踊り」
・ロドリーゴはまぶしい
・脱《アランフェス協奏曲》宣言!(ここまでPart2

お話=川口成彦(ピアニスト・フォルテピアノ奏者)
新野見卓也(ピアニスト・音楽批評家)
まとめ=編集部

クラシック音楽の「中心/周縁」を超えて

川口 今回お話しするファリャとロドリーゴは比較的人気ですが、スペインの音楽は、まだまだマニアックな領域に思われている印象があります。いまだにドイツやオーストリアがクラシック音楽の中心って感じがする。バロックから古典派、ロマン派、近現代まで、各時代の作曲家が体系的に知られているからでしょうね。それはつまり、多くの演奏家や音楽学者などがあらゆる時代のドイツ語圏の音楽に対して注いできた、情熱と時間の蓄積と言えるでしょう。でも実は、スペインにだって豊かな音楽の歴史の流れがあるんですよ。

新野見 私が川口さんのアルバム『ゴヤの生きたスペインより』を聴いて強く感じたのは、いわゆる「国民楽派」ではない、根源的で独特なスペインの音楽の姿でした。そしてそれは、川口さんがおっしゃったように、ファリャやロドリーゴにもつながっている。私はまだスペイン音楽を深め始めたばかりですが、これからは、もっと光が当たっていくと信じています。今日の対談がその後押しになれば!

川口成彦|Naruhiko Kawaguchi

ピアニスト・フォルテピアノ奏者。1989 年生まれ。岩手県出身。東京藝術大学音楽学部楽理科を経て、同大学院とアムステルダム音楽院の古楽科修士課程を修了。第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位。スペイン音楽をこよなく愛し、自主レーベルMUSISのCD『ゴヤの生きたスペインより』や自主企画演奏会シリーズ「スペイン音楽の森」といったプロジェクトを展開中。また楽譜『スペイン ピアノ小品集』(音楽之友社)では解説・運指を担当する。

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A ベートーヴェンとの旅路

川口成彦(fp)
〈録音:2025年2月〉
[Signum Classics(D)JSIGCD1001]CD

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♪このディスクの新譜月評はこちら(評者:那須田務さん、鷲野彰子さん)

B メンデルスゾーン姉弟/チェロとピアノのための作品集

酒井淳(vc)川口成彦(fp)
〈録音:2024年9月〉
[Acoustic Revive(D)AR1012]CD

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♪このディスクの新譜月評はこちら(評者:那須田務さん、鷲野彰子さん)

C アンジェイ・カラウォフ:ソングラインズ

川口成彦(fp)アニア・カルポヴィチ(fl)アレクサンデル・レヴィンスキ(T)他
〈録音:2025年6月,10月〉
[Chopin University Press(D)TUMFCCD244]CD

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♪このディスクの新譜月評はこちら(評者:長木誠司さん、沼野雄司さん)

D 別れ~フランダース・ロマン派

川口成彦(p)
〈録音:2023年10月〉
[Etcetera(D)JKTC1840]CD

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♪このディスクの新譜月評はこちら(評者:飯田有抄さん、草野次郎さん)

フォルテピアノ・リサイタル〜女性作曲家への憧れ〜
2026年11月28日(土)14:00開演 宗次ホール(愛知)

銀座ぶらっとプレミアム #224 「女性作曲家への憧れ」第2回 ※完売
2026年11月30日(月)13:30開演 王子ホール(東京)

DROGA DŌ(記憶の道)国際室内楽フェスティバル
2026年12月14日(月)19:00開演 シアターX(東京)

フォルテピアノリサイタルシリーズ2026~万国博覧会の思い出~
2026年12月19日(土)15:00開演 フェニーチェ堺(大阪)
2027年3月20日(土)15:00開演 フェニーチェ堺(大阪)

スペシャル・ガラ・コンサート
2027年1月9日(土)14:00開演 日本製鉄紀尾井ホール(東京)

スペシャル・ガラ・コンサート
2027年1月10日(日)14:00開演 日本製鉄紀尾井ホール(東京)

大阪交響楽団 第292回定期演奏会 ※ロドリーゴ《英雄的協奏曲》ソロ出演
2027年1月15日(金)19:00開演 ザ・シンフォニーホール(大阪)

新野見卓也|Takuya Niinomi

ピアニスト・音楽批評家。1988年生まれ。栃木県出身。国際基督教大学(ICU)卒業、一橋大学大学院言語社会研究科修了後、リスト音楽院(ブダペスト)に留学。現在ハンガリー国立バレエ学校でピアニストを務めつつ、音楽批評家として雑誌・webサイト等に寄稿している。2022年にワーグナーのピアノ作品を収めたCD『Schmachtend』(sonorite)をリリース。好きなものはコーヒー、ケーキ、ワーグナー、そしてスペイン。

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Schmachtend – A Tribute to Richard Wagner

新野見卓也(p)
〈録音:2021年8月〉
[sonorité(D)SNRT2203]CD

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《指環》初演150周年|
ワーグナー/バイロイトの過去・現在・未来(全4回)序夜 3人の “ワーグナーの達人” への5つの質問状
2026/8/1公開

ワーグナーの達人、新野見卓也、吉田真、光野正幸の3氏に、「これまでで最も印象深いバイロイト体験は?」など、編集部から5つの質問を投げかけ、持論を展開いただきました。

モノラル録音期のベートーヴェン|
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ モノラル録音期と現代の演奏はなにが違う?2026/4/16公開

演奏のされかたは、昔と今でどのように違っているのでしょうか。往年のシュナーベル、バックハウスと、今をときめく河村尚子、レヴィット、小菅優、オラフソンとを中心に再検討します。

名演奏家再批評|
File01 フルトヴェングラーを再批評する①
2026/1/9公開

新世代の書き手がクラシック音楽の名演奏家を各4回のリレー形式で論じる連載の第1弾。2026年に生誕140年を迎える指揮者フルトヴェングラー(1886~1954)について「再批評」します。

「聴かないで。あなたは絶対にハマるから」

編集部 おふたりのスペイン音楽との出会いは、どのようなものだったのでしょうか。

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