会見レポート

阪田知樹 記者懇親会
2026年のいま想うフランツ・リスト
そして演奏史・作曲史のなかの「私」

レポート
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懇親会後、11/10東京オペラシティ公演のパネル横に立つ阪田

2026年4月22日に行なわれた、阪田知樹さんの記者懇親会へ行って参りました。その模様をダイジェストにてお届けします。

Text&Photo:編集部(H.H.)

阪田知樹、2026年の挑戦

会見は、東京・北青山のスタインウェイ&サンズ東京で行なわれ、ジャパン・アーツの井原のどかさんの司会で進行した。なお、このレポートでは、質疑応答の内容を含めてまとめる。

井原 2026年は阪田にとって2つの意味で大きな年です。まず2011年のデビューから15周年、そして16年のリスト・コンクール優勝から10周年を迎えます。今年の演奏活動は、オール・リスト・プログラムとなる11月の東京オペラシティ公演と、春と秋の全国リサイタルツアー、そして作曲を委嘱された新作の披露公演が目玉となります。

【公演情報】
阪田知樹 ピアノ・リサイタル

[日時]
2026年11月10日(火)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
詳細はこちら(ジャパン・アーツのページ)

[出演]
 阪田知樹(ピアノ)

[曲目]
・J.S.バッハ(F.リスト編曲):オルガンのための幻想曲とフーガ ト短調 S.463ii/R.120
・F.リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178/R.21
・F.リスト:3つの演奏会用エチュード S.144/R.5 第2曲 へ短調《軽やかさ》
・F.リスト:J.S.バッハの主題による変奏曲 S.180/R.24
・F.リスト:調性のないバガテル S.216a/R.60c
・F.リスト:2つの演奏会用エチュード S.145/R.6 第2曲《小人の踊り》
・F.リスト:2つの演奏会用エチュード S.145/R.6 第1曲《森のざわめき》
・F.リスト:V.ベッリーニの歌劇「ノルマ」の回想 S.394/R.133

■春のリサイタルツアー
・2026年4月24日(金)18:30開演 静岡/磐田市民文化会館「かたりあ」
 詳細はこちら(磐田市民文化会館のページ)
・2026年4月26日(日)14:00開演 山梨/八ヶ岳やまびこホール
 詳細はこちら(やまなしまなびネットのページ)
・2026年5月1日(金)15:00開演 富山/高岡市生運学習センターホール
 詳細はこちら(ガルガンチュア音楽祭のページ)
・2026年5月4日(月)12:40開演 石川/金沢市アートホール
 詳細はこちら(ガルガンチュア音楽祭のページ)
・2026年5月9日(土)14:00開演 大阪/ザ・シンフォニーホール
 詳細はこちら(ザ・シンフォニーホールのページ)
・2026年5月13日(水)19:00開演 東京/ヤマハホール
 詳細はこちら(ヤマハのページ)
・2026年5月15日(金)19:00開演 長野/長野市芸術館リサイタルホール
 詳細はこちら(長野市芸術館のページ)
・2026年5月17日(日)14:00開演 千葉/茂原市東部合文化会館
 詳細はこちら(茂原市ピアノ協会のページ)
・2026年5月23日(土)14:00開演 愛知/宗次ホール
 詳細はこちら(宗次ホールのページ)

■秋のリサイタルツアー
・2026年10月4日(日)山口/宇部市渡辺記念会館
・2026年10月18日(日)徳島/藍住町総合文化ホール大ホール
・2026年10月24日(土)福岡/福岡市民ホール中ホール
・2026年10月31日(土) 山梨/山梨市花かげホール
・2026年11月1日(日)岐阜/多治見市文化会館
・2026年11月15日(日)大阪/住友生命いずみホール

■新作披露公演①
・2026年7月18日(土)15:00開演 神奈川/神奈川県立音楽堂
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 音楽堂シリーズ第37回
 詳細はこちら(神奈川フィルのページ)

[出演]
 阪田知樹(ピアノ・指揮)森谷真理(ソプラノ)神奈川フィルハーモニー管弦楽団

[曲目]
 ・阪田知樹:声楽と管弦楽のための新曲(神奈川フィル委嘱作品)※世界初演
 ・フォーレ:組曲《ペレアスとメリザンド》
 ・フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード
 ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番

■新作披露公演②
・2026年11月21日(土)16:00開演 群馬/高崎芸術劇場大劇場
 群馬交響楽団 第623 回定期演奏会
 詳細はこちら(群馬響のページ)
・2026年11月22日(日)15:00開演 長野/サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
 上田定期演奏会-2026秋-
 詳細はこちら(サントミューゼのページ)

[出演]
 阪田知樹(ピアノ)米田覚士(指揮)群馬交響楽団

[曲目]
・阪田知樹:新作委嘱 ※世界初演
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》
・R.シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》
・R.シュトラウス:楽劇《ばらの騎士》組曲

全国公演では曲目を、会場にあわせて阪田みずからカスタマイズしている点にも注目だ。また新作披露公演では、指揮も見逃せない。7月の神奈川フィル公演では、阪田自身がフォーレ、サン=サーンス作品の弾き振りを行なう。後述するが、両者は「作曲家」阪田の源流でもある。11月の群馬響公演では、昨2025年の第59回ブザンソン国際青年指揮者コンクールで優勝を果たし、ジャパン・アーツへの所属が発表されたばかりの米田覚士が指揮を務める。

いま、リストについて想うこと

阪田はこの節目の年にあらためて原点に立ち返るべく、フランツ・リスト(1811~86)を取り上げることにしたと言う。2026年は作曲家の没後140年でもある。

阪田 11月の東京オペラシティ公演は、《ソナタ ロ短調》や《「ノルマ」の回想》など、2016年のリスト・コンクールで、実際に演奏した曲を中心にプログラミングしました。今年のリサイタルでは、あのとき、自分がどのような思いでコンクールに臨んだのかを振り返りたいと考えています。

阪田知樹(c)友澤綾乃_提供_ジャパン・アーツ
阪田知樹 (©友澤綾乃、提供:ジャパン・アーツ)

阪田知樹 SAKATA Tomoki

2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙。「天使が弾いているようだ!」-Leslie Howard-と審査員満場一致、圧倒的優勝を飾る。

2021年世界三大音楽コンクールの一つ、エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門にて「多彩な音色をもつ、知性派ヴィルトゥオーゾ」-Standaard-と称えられ第4位。

第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。「清澄なタッチ、優美な語り口の完全無欠な演奏」-Cincinnati Enquirer-と注目を集める。

イヴァン・モラヴェッツ氏より高く評価されイヴァン・モラヴェッツ賞、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンゲン国際ピアノオリンピックではベートーヴェンの演奏を評価され、日本人初となる第1位及び聴衆賞。

極めて広範なレパートリーを持ち、演奏したピアノ協奏曲は50曲を超える。

ジャパン・アーツのページより)

公式Xはこちら

2016年のリスト・コンクール(ブダペスト国際音楽コンクール)は、パイク、カツァリス、コチシュ、クルターグ、ベロフといった現代を代表するピアニストが審査員が務めたもので、阪田は満場一致での優勝だった。セミ・ファイナルでの《「ノルマ」の回想》の演奏後には、審査員のほぼ全員がスタンディングオベーションをしたことも、阪田にとって忘れがたい記憶となっている。

阪田 私にとっては、このコンクールに出場すること自体が大きな目標の1つでもありました。尊敬するラザール・ベルマンやディノ・チアーニ、師匠ヴァーシャリ、さらにその師匠アニー・フィッシャーが入賞したコンクールでしたから。コンクールで演奏したもの以外には《J.S.バッハの主題による変奏曲》や《調性のないバガテル》などを入れています。

《ソナタ》と《回想》が青年期から壮年期にかけて作曲されたのに対して、《変奏曲》や《バガテル》は晩年に書かれている。この間リストは、作風のうえで大きな変化を遂げていた。特に《バガテル》は音楽史において「無調」を表明した楽曲のはしりだ。

阪田 リストといえば”ヴィルトゥオーゾ”、”華やか”といったイメージがすごく強いと思うんですけれども、そうでないリスト像を示すように心がけました。晩年の作品たちは、ラヴェル、スクリャービンの音楽の礎を築いたといっても過言ではない、実験的なものだと思っています。さまざまな作風の作品を入れ込むことで、一夜でリストの人生を体感していただけると考えています。

阪田といえばリスト弾きとして知られるが、13歳の時、初めてその楽曲を弾いた印象は、「分からない」だったと語る。

阪田 でも、分からないからこそ研究したいと思い立って、いろいろなジャンルの楽譜を集めたり、直系の演奏家の録音を聴きこんだり、その生涯を深めたりしはじめました。繰り返し弾いてきたいまの私は以前よりも、吟味された楽譜の内容に、謙虚に向き合おうという気持ちが強くなりました。リストは優れたピアニストでもありましたから、楽器の都合をよく分かったうえで作曲されているんです。

阪田知樹
ディスコグラフィ

A スペイン狂詩曲~阪田知樹デビュー!
〔リスト:スペイン狂詩曲S.254,スクリャービン:2つの詩曲,ドビュッシー:映像第Ⅱ集,ショパン:ピアノ・ソナタ第3番,ラフマニノフ(阪田知樹編曲):12の歌~ここは素晴らしい場所〕

阪田知樹(p)
〈録音:2015年1月〉
[トリトーン(D)OVCT00112]SACDハイブリッド
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2015年発表の1stアルバム。リスト国際コンクール優勝以前の録音ではあるが、すでに数々のコンクールで注目されていた。自身の編曲によるラフマニノフも収録

B イリュージョンズ
〔ショパン(バラキレフ編曲):ピアノ協奏曲第1番~第2楽章,リスト:「リゴレット」による演奏会用パラフレーズS.434,ハンガリー狂詩曲第2番S.244/2(カデンツァ:阪田知樹),チャイコフスキー (フェインベルク編曲):交響曲第5番~第3楽章,ラフマニノフ(阪田知樹編曲):私は彼女のもとにいた,ヴォカリーズ,他〕

阪田知樹(p)
〈録音:2019年9月,12月,20年1月〉
[ソニー・ミュージック(D)SICX10027]SACDハイブリッド
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2020年発表の2ndアルバムがSACDハイブリッド盤で再登場。ピアノ演奏を通して、聴き手に対して、オーケストラやオペラなど、様々な編成の音楽の「幻影(イリュージョン)」を喚起するコンセプトで作られた

C ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ全集
〔+パラディス:シチリアーノ〕

辻彩奈(vn)阪田知樹(p)
〈録音:2023年4月〉
[ソニー・ミュージック(D)SICX10021]SACDハイブリッド
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2020年から全国各地で公演を行なっていたデュオによるアルバム。公演のアンコールでしばしば演奏されたパラディス《シチリアーノ》も併録している

★本アルバムの「新譜月評」はこちら(批評:満津岡信育さん)

2人の大切な師匠、バドゥラ=スコダとヴァーシャリ

阪田に大きな影響を与えた2人の師匠がいる。ウィーン三羽烏の1人、パウル・バドゥラ=スコダ(1927~2019)と、ハンガリー生まれのタマーシュ・ヴァーシャリ(1933~2026)だ。

阪田 バドゥラ=スコダは、エドヴィン・フィッシャーに師事していました。エドヴィンの師匠はマルティン・クラウゼで、その師匠はリスト。彼はシューベルト、モーツァルト、ベートーヴェンといったレパートリーで知られると思いますが、そのピアニズムの系譜はリストに繋がります。古典派の作品についても、もちろん学びましたが、リストのピアノ協奏曲第1番や《巡礼の年》、《ハンガリー狂詩曲》についても多くを教えていただきました。

関連ディスク

1 チャイコフスキー,リムスキー=コルサコフ,リスト/ピアノ協奏曲集
〔チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番,リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲,リスト:ピアノ協奏曲第1番S.124*〕

パウル・バドゥラ=スコダ(p)ハンス・スワロフスキー指揮スコティッシュ・ナショナルo*,他
〈録音:1955~59年〉
[Gramola(M)GRAM99130(海外盤)]CD

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バドゥラ=スコダの録音のなかでも、比較的レアなものを集めたアルバム。原題の“Der anderen Badura”を直訳すると「もう1人のバドゥラ」となる

2 モーツァルト&ハイドン録音全集 1933~1947
〔モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番K.453,同第20番K.466,ハイドン:ピアノ協奏曲Hob.XVIII-11,他〕

エトヴィン・フィッシャー(p・指揮)エドヴィン・フィッシャー室内o,ロンドンpo,ウィーンpo,他
〈録音:1933年11月~47年10月〉
[APR(M)APR7303(3枚組,海外盤)]CD

エドヴィン・フィッシャー(1886~1960)はフルトヴェングラーの親友で、共演盤も数多い一方、指揮にも才能を示し、弾き振りを盛んに行ったことでも特筆される

阪田 ヴァーシャリは、最近はあまり名前を聞かなくなった指揮者、ピアニストですが、かつてはドイツ・グラモフォンからアルバムをいくつか出していたほどの方です。ヴァーシャリの師はアニー・フィッシャーやエルンスト・フォン・ドホナーニで、やはりリストの系譜にあたります。彼のもとでも、《「ノルマ」の回想》や《ソナタ ロ短調》など多くのリスト作品について学びました。

リストの系譜にある師匠に学ぶことは、奏法の原点だけでなく、生身のリストに接近することでもあったようだ。

阪田 ヴァーシャリの祖母は、ハンガリーでリストが《回想》を弾くところを見たらしいです。弾く前に深呼吸をして、鼻に空気をたくさん溜めたという話を聞きました。文献や肖像画では分からない、人間としてのリストを知れた印象がありました。

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3 リスト/ピアノ作品集
〔ハンガリー狂詩曲第6番S.244/6,同第15番《ラコッツィ行進曲》S.244/15,コンソレーション第2番S.172/2,同第3番S.172/3,「リゴレット」による演奏会用パラフレーズS.434,他〕

タマーシュ・ヴァーシャリ(p)
〈録音:1957年7月~61年5月〉
[グラモフォン(M/S)UCCG3501]CD ※現在取扱なし
[DG(M/S)4744232(海外盤)]CD
※ジャケットとリンクは後者のもの

ヴァーシャリは1948年リスト・コンクールの覇者。指揮者として来日することが多かったが、この盤をはじめピアニストとしての注目盤も多い

4 シューマン:ピアノ協奏曲,リスト:ピアノ協奏曲第1番*
〔+シューマン:交響曲第1番~第4番,他〕

アニー・フィッシャー(p)オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニアo,フィルハーモニアo*
〈録音:1960年5月,62年5月,8月,他〉
[ワーナー・クラシックス(タワーレコード)(S)TDSA321(3枚組)]SACDハイブリッド

1933年の第1回リスト・コンクールで優勝したアニー・フィッシャー(1914~95)と、クレンペラーによるリストの協奏曲を収めたアルバム。彼女は録音嫌いとしても知られる

阪田に流れる、演奏史・作曲史の系譜

阪田が作曲を始めたのは6歳のときだったという。突然、曲が浮かんで、母親に五線紙をねだった。やがて専門的に作曲を学ぶべく、永冨正之(1932~2020)、松本日之春(1945~2023)の2人に師事した。阪田は、永冨の没後、その和声課題をまとめた『永冨正之 課題集 和声・フーガ・ソナタ』(音楽之友社)にも解説を寄せている。

阪田 どちらもパリ音楽院に留学して、トニー・オーバンやアンドレ・ジョリヴェなどに学んだ方です。また私は海外で、ナディア・ブーランジェ門下のエミール・ナウモフに師事したこともあります。つまり私は、演奏の面ではリストからチェルニー、ベートーヴェンにさかのぼる系譜、作曲の面では永冨、松本、ナディア、そしてフォーレ、サン=サーンスに至る系譜に位置しています。

関連ディスク

5 リリ・ブーランジェ,ナディア・ブーランジェ/器楽&室内楽作品集
〔リリ:主題と変奏,空の晴れ間,明るい庭から,ナディア:永遠の光,新たなる人生へ,ナウモフ:リリ・ブーランジェの思い出に,他〕

エミール・ナウモフ(p)他
〈録音:1993年6月〉
[Marco Polo(D)8223636(海外盤)]CD

ナウモフ(1962~)はナディア(1887~1979)の最後の弟子となった作曲家・ピアニスト。ブーランジェ姉妹の作品を収める本盤のほぼ全てのトラックで演奏し、自作曲も入れている

6 サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番,組曲《動物の謝肉祭》
〔+組曲《動物の謝肉祭》~白鳥,ドリーブ:歌劇《ラクメ》~花の二重唱,フォーレ:レクイエム~楽園にて(以上3曲はナウモフによる編曲版),他〕

ラン・ラン,ジーナ・アリス(p)アンドリス・ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
〈録音:2023年6月~7月〉
[グラモフォン(D)UCCG45088(2枚組)]CD
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ナウモフには阪田と同じく編曲家としての顔もあって、このアルバムには3作品が収録された。このうち〈白鳥〉は1台4手版で、ラン・ランの多重録音による

作曲分野でも旺盛な活動を続ける阪田だが、意外なことに、これまでピアノ協奏曲を書いていない。

阪田 今年の初演作品も、声と管弦楽、あるいは管弦楽だけのための作品で、ピアノは登場しません。ただ、演奏家としての協奏曲のレパートリー数は60に届くほどあるので、いつか自分にとっての「ピアノ協奏曲」を形にできたらと思っています。

阪田知樹
作曲・編曲作品の出版譜

α 阪田知樹ピアノ編曲集 ヴォカリーズ

阪田知樹 編曲
発行:2022年5月 / ISBN:9784276437234 / 商品コード:437230
【音楽之友社の商品ページはこちら

阪田の出版譜第1弾。折々に綴り、自らもたびたびステージで取り上げている編曲から、特に出版を望む声の多い楽曲を選りすぐった編曲集である

β 阪田知樹ピアノ編曲集 夢のあとに

阪田知樹 編曲
発行:2023年7月 / ISBN:9784276437241 / 商品コード:437240
【音楽之友社の商品ページはこちら

出版譜第2弾。第1弾よりも自由度の高い編曲がなされたものが収録されていて、オリジナル作品《夢~故郷によるインプロヴィゼーション》も収める

γ アルト・サクソフォーンとピアノのためのソナチネ

阪田知樹 作曲
発行:2023年11月 / ISBN:9784276922730 / 商品コード:609405
【音楽之友社の商品ページはこちら

出版譜第3弾で阪田のオリジナル作品。初演は2018年1月、東京オペラシティにてサクソフォーン奏者・上野耕平とのデュオ・リサイタル。楽譜は同年9月の再演版に基づいている

阪田 私が考えている音楽家の理想のかたちは、コンプリート・ミュージシャン Complete Musicianです。これは演奏家で作曲家で、オーケストラの指揮をして教育者でもあって……と、音楽に関するさまざまなことに秀でていて、それぞれに一流の成果をもたらす人のことをいいます。リストがまさにそうでしたし、ラフマニノフ、ブーレーズもそうです。リサイタルと新作初演を行なうこの1年は、この挑戦を如実に体現するものになると思います。

また質疑応答では、最近購入したお気に入りのCDとして、ホルヘ・ボレットのライヴ録音集[マーストン]を挙げていた。全てのトラックにショパンの録音が収められている。ずっと探していて、海外でようやく手に入れたという。

関連ディスク

7 イン・コンサート Vol.1
〔ショパン:スケルツォ第1番~第4番,ピアノ・ソナタ第3番,他〕
ホルヘ・ボレット(p)
〈録音:1963年~87年(L)〉
[Marston(M/S)520352(2枚組,海外盤)]CD
※現在はライナーノートなしのCD-RをMarstonから直接購入できる
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ホルヘ・ボレット(1914~90)はキューバ生まれのピアニストで、リストとショパンの録音で知られる。このアルバムは、彼の知られざるショパン録音を発掘するべく制作されたもの

記者懇親会の最後には会場に置かれたスタインウェイ&サンズのピアノで、2つの楽曲が披露された。阪田の編曲によるラフマニノフの〈ここは素晴らしい処〉(《12の歌》より)と、リストの《忘れられたワルツ》第1番だった。これまでもたびたび演奏されてきたもので、全国をめぐるリサイタルツアーのいくつかの公演でもプログラミングされている。

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演奏を披露する阪田知樹
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