
今年2025年は、ドイツの名バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925.5.28~2012.5.18)[文中、DFDと略記]の生誕100周年アニバーサリー。ドイツ・リートをメインに、オペラ、宗教曲にも膨大な録音を遺した彼の、いずれも第一級の芸術品を、季節に合わせたテーマに沿って、吉田真氏(ドイツ文学・音楽評論)のナビゲートで毎週紹介しています。今回はヴェルディ、プッチーニに続いてワーグナー、楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を取り上げます。このオペラは、歌詞でも歌われている通り6月24日の「聖ヨハネの日」前日から当日の一昼夜の出来事が描かれており、この聖名祝日を前に、DFDが遺したハンス・ザックスの名唱を存分に味わっていただきたく。

声が熟す50歳を過ぎ、満を持して臨んだ “究極の” 役
文=吉田 真
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