音符の向こう側連載

【連載】音符の向こう側/城所孝吉 第14回

音楽評論家・城所孝吉氏の連載第14回--「第2シーズン」の第2回はヴェルディの傑作《リゴレット》を取り上げます。約2時間を要するオペラ全曲の詳細な分析、また台本からの引用(訳:城所孝吉)もあって、今回は例外的に “超ロング回” になります。じっくり腰を据えてオペラを観る/聴くつもりで臨んでみてください。

《リゴレット》は原作とは異なる「非政治的」オペラ

私にとって《リゴレット》は、とてつもなく暗いオペラである。そのため私は、長い間この曲が好きになれないところがあった。もちろん美しいアリアや重唱は多いが、それをしても、全体の陰惨さを拭うことはできない。しかし数年前、あることに気づき、考えが変わった。そして、人間心理の根底を突くようなドラマの奥深さに、強く打たれるようになった。ヴェルディの三大傑作を選べと言われたら、私は迷わずこの曲に指を折るだろう。

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