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テリー・ライリーの音楽を堪能するボックスセット

聖なる駱駝が歩いていく。天界の峡谷を、太古の湖を、氷の砂漠を。テリー・ライリーの『シュリー・キャメル』(1980、「聖なるらくだ」という意味)を聴くと、ついこのような空想をしてしまう。緩やかなテンポで反復される短いフレーズが駱駝の歩みを連想させるのだろう。そのフレーズには多彩な要素が絡まり、駱駝が行くさまざまな光景が描き出される。インド音楽からの影響が如実に表れているだけでなく、純正律の電子オルガンの音色がサイバーですらある。随所で聴こえてくる3音——おおよそB、D、E——のモチーフによって統一感が生まれている1枚。
   
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クナッパーツブッシュからアバドまで ウィーン国立歌劇場 “栄光の” 名演奏、名舞台を総覧

ばらの騎士〈1955〉 こうもり〈1960〉 フィガロの結婚〈1991〉 ラインアップ ●モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ(録音1955年11月6日)カール・ベ...
   
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これぞ、小澤征爾。SACDで音質一新した究極の7枚

色彩感と立体感、そして実在感が際立つ新規リマスタリング  ソニーから、小澤征爾の録音が7点SACD化された。1967~69年のRCA録音が5点と、2000年と2...
   
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リイシュー&BOX注目盤(9月)

ここでは、最近発売されたリイシュー&BOX盤のなかから注目盤を厳選して紹介します。 カラヤンの金字塔が遂に「オリジナル・ソース」に登場!! 録音現場に居合わせた...
   
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上野通明のセカンドアルバムは、 みずみずしい感性で淵源にさかのぼる邦人作品集!

65分15秒、チェロの音だけが鳴っている。しかしその多彩な音たちは、ときには太棹三味線のように、あるいはフルートのように、そうしてさながら人の声のようにも響く。このディスクを通して、私たちはチェロという楽器が秘め持つ可能性の大きさにあらためて驚かされる。また同時に、作品自体の新たな一面にも気づくことができるであろう。
   
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リイシュー&BOX注目盤(8月)

ここでは、最近発売されたリイシュー&BOX盤のなかから注目盤を厳選して紹介します。 ロジェストヴェンスキー=ソヴィエト国立文化省響の《レニングラード》が待望の復...
   
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沖澤のどか=京都市響の初アルバムは 《英雄の生涯》2025年3月ライヴ

沖澤のどかと京都市交響楽団(以下「京響」)が破竹の勢いを見せている。ただ一度の共演で一目惚れした楽団のラブコールに応え、2023年4月から同団の第14代常任指揮者に就任した沖澤は、すでに29年3月末までの任期延長を発表し、まさに蜜月状態が続いている。
   
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エリック・サティ没後100年 3人のピアニストによる3点のリイシュー盤を聴く

2025年はサティの没後100周年のメモリアルイヤーにあたり、1980年代のサティ・ブームの一翼を担ったフランスの名手、フィリップ・アントルモンの『サティ/きみがほしい』ほか2点がリイシューとして登場した。
   
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イタリア/ハンガリー仕込みの新鋭 デビュー・アルバムにしてオール・リスト・プロ!

Yuna plays Liszt~光と闇~〔リスト:エステ荘の噴水,イゾルデの愛の死,ラ・カンパネッラ,メフィスト・ワルツ第1番,乙女の願い(ショパン「6つのポ...
   
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ヨーヨー・マ、カヴァコス、アックスによる 「ベートーヴェン・フォー・スリー」最新作発売!

ベートーヴェン・フォー・スリー〔ベートーヴェン(シャイ・ウォスネル編):交響曲第1番(ピアノ三重奏編曲版),ピアノ三重奏曲第5番《幽霊》,同第4番《街の歌》〕 ...