今こそ、オーマンディ!特別企画
今こそ、オーマンディ!

来日指揮者は語る
オーマンディ「生れかわっても、やはり指揮者だ」
(第3回)

旧『レコード芸術』誌1967年6月号に掲載されたインタビュー記事(1967年5月2日/大阪グランド・ホテル、インタビュー・写真:編集部)を、グラビア写真とともに再録して3回に分けてお届けする最終回です。名指揮者の生の声をお楽しみください。

インタビューが掲載された1967年6月号のグラビア特写記事(左)と表紙(右)

100万ドル・サウンドの秘密

――フィラデルフィアの音の美しさは、すばらしい名器が多いことにもよると、よくいわれていますが。
オーマンディ おっしゃる通りで、メンバーがもっている楽器も多いし、オーケストラ自体もたいへんすぐれた貴重な楽器を所有しています。とくに、数年前に私の親友が、このオーケストラのために6~7万ドルの値打ちのある楽器のいくつかを、このオーケストラに贈ってくれたのです。その中には、グヮリネリウス・ヘススもあります。この楽器はアメリカの有名なヴァイオリニストのアルバート・スポーディングが所有していたもので、この楽器は30年前に私の指揮で、サミュエル・バーバーのヴァイオリン協奏曲を初演したのですが、同じ楽器で30年後、最近、同じバーバーを私の指揮で実演しております。そのほか、ストラディヴァリウスが3個、グヮダニーニ、ガルネリウス・ベルゴンツィなど、すばらしい楽器をたくさんもっています。だいたい新しいオーケストラは、入るといちばん先にオーケストラから金を借りて、すぐれた楽器を買います。だから、このオーケストラは、100万ドルのオーケストラといわれるのですが、これは単にすぐれたオーケストラというよりも、たいへん貴重な楽器をもったオーケストラだということからも、その名前がきているんじゃないでしょうか。

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