ソニーミュージック

   
レポート

パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル 「シューベルト交響曲全集」録音レポート

高峰に挑み続ける、その歩みはとまらない。——つねに並行して複数のオーケストラと強力なタッグを組んできた名匠パーヴォ・ヤルヴィは、首席指揮者や芸術監督を務めるオーケストラとはそれぞれ、信頼を寄せるその楽団のカラーに合わせた録音シリーズを展開してきた。そのひとつ、首席指揮者として堂々たる功績を残したNHK交響楽団とは、バルトークやストラヴィンスキー、武満徹など20世紀傑作選をはじめ、ワーグナーやマーラーなど重量感のあるレパートリーを数々録音。さらに、2015年録音の《英雄の生涯》にはじまるリヒャルト・シュトラウスの管弦楽作品チクルス3点は、楽団の高度な錬磨と覇気を深めたシリーズとして高く評価されている。
   
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パーヴォ=DKAMのシューベルト全交響曲録音 第2弾は、対照的な5番と6番《小ハ長調》!

文=沼口隆 (音楽学) シューベルトの交響曲創作史のなかの5番と6番 F. シューベルト(1797~1828)は、知られている限り13曲の交響曲に着手し、7曲を完成させた。旧来の番号づけでは、未完の2...
   
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世界初演からジャスト100年。演奏史の一里塚となった 記念碑的《トゥーランドット》録音がSACD化

プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》全曲 エーリヒ・ラインスドルフ指揮ローマ歌劇場o,同cho,ビルギット・ニルソン,レナータ・テバルディ(S)ユッシ・ビョルリング(T)ジョルジョ・トッツィ(Bs)他...
   
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『ばけばけ』と『豊臣兄弟!』 それぞれのサントラに仕掛けられたものとは?

ヘッドホンで緻密な“ノイズ”を探りたい『ばけばけ』 2025年度後期の“朝ドラ”は「毎~日難儀なことばかり」や「野垂れ死ぬか~もしれな~いね」といったフレーズが現代を生きる私たちが感じている閉塞感とゆるくシンクロする素敵な主題歌も話題を集めたが、近年『ダンダダン』や『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』など人気アニメ作品の音楽をいくつも手がけている、今をときめく牛尾憲輔うしお けんすけによる劇伴も素晴らしかった。
   
レポート

東京・春・音楽祭2026 マロフェーエフ ピアノ界の新星が降り立った熱狂の夜をふりかえる

4月3日の公演で演奏するアレクサンダー・マロフェーエフ 撮影:池上直哉提供:東京・春・音楽祭実行委員会 文=長井進之介(ピアニスト・音楽ライター) 音で語り、描き出すピアニスト、アレクサンダー・マロフ...
   
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カウフマンの2つの《詩人の恋》 50歳と24歳の歌を較べてみれば……

シューマン:詩人の恋,ケルナーの12の詩(+ボーナス・トラック:1994年録音《詩人の恋》より6曲*) ヨナス・カウフマン(T)ヘルムート・ドイチュ,ヤン・フィリップ・シュルツェ*(p)〈録音:202...
   
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ピアノ界の新星、マロフェーエフが放つ 4人の亡命作曲家に共鳴するデビュー作

マロフェーエフのデビュー作は、「亡命し故郷から離れて生涯を終えた4人のロシア作曲家」というコンセプトで企画された2枚組。グリンカ、メトネル、ラフマニノフ、グラズノフは、いずれも生涯のあるタイミングでロシアを永遠に離れる旅路へと出発した。メトネルのソナタ〈回想〉とラフマニノフのピアノソナタ第2番を除けば小品中心だが、一聴すればわかるように、故郷に抱く複雑な感情という一貫したテーマがアルバム全体を貫いており、散漫な印象は全くない。
   
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アーノンクール生涯唯一のワーグナー! ’99年シュティリアルテ音楽祭での貴重なライヴ録音

アーノンクールは、かつて生涯の最大の「敵」と対峙していた。もちろん相手はワーグナーだ。この記録が魅力的なのは、ただアーノンクールが振った唯一のワーグナーにとどまらないところにある。
   
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ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート2026 ネゼ=セガンが初登場

日本時間では1月1日の夜7時。多くの日本人にとって、おせち料理をつまみながらほろ酔い気分でテレビを眺め、正月気分を味わうための恒例行事が、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートだろう。
   
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パーヴォ=DKAMのシューベルト全交響曲録音は 「未完成」と「悲劇的」で幕を開ける!

思わず唸ってしまう。パーヴォ&ドイツ・カンマーフィルがシューベルトをまだ録音していなかったことに。そして、満を持した初録音が「7番&4番」のカップリングである事実に。手前味噌で恐縮だが、シューベルト全交響曲の4夜にわたる演奏会を企画したさい、筆者はこの2つの短調作品を、まったく当然のように別々のプログラムに配した。あまりの破壊力ゆえだ。それをあえて並べることで、しょっぱなから悲劇の凝集的なパワーが炸裂する。これ以上ない説得力である。