音楽評論家・舩木篤也氏の連載「プレルーディウム」。
プレルーディウム(Präludium)は、ドイツ語で「前奏曲」の意味。毎回あるディスク(音源)を端緒として、ときに音楽の枠を超えて自由に思索を巡らせる、毎月1日更新の注目連載です。
第7回は、高関健×富士山静岡交響楽団による、ベートーヴェンの交響曲第7番、第6番《田園》のライヴ盤が登場します。

ディスク情報
ベートーヴェン:交響曲第7番,第6番《田園》
高関 健(指揮)富士山静岡交響楽団
〈収録:2024年9月(L)〉
[フォンテック(D)FOCD9918]
「自然」を読み直す
もうやり尽くされたと誰もが思うベートーヴェンの交響曲に、生まれて初めて聴くような、目覚ましい演奏が登場した。富士山静岡交響楽団による、第7番と第6番《田園》がそれだ。静岡市清水文化会館「マリナート」大ホールにおける2024年9月15日公演のライヴ録音。指揮は、同団首席指揮者の高関健である。
ほかの演奏との違いを打ち出そうと躍起になったものではない。スコアをどこまでも丁寧に読み込んだ結果、胸のすく音楽が絶え間なく眼前に展開してゆく。そんな演奏なのだ。どちらの交響曲もそうだが、とりわけ第6番《田園》が素晴らしい。
自然交響曲の読み直し──それがどんなものであるか、すこし詳しく書いてみたいのだが、いま「読み直し」と言って、昨今の異常な自然現象のことが気になった。交響曲の前に、自然そのものを読み直す必要があるのではないか、と。
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