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ファリャに師事
マヌエル・デ・ファリャ(1876~1976)と言えば、もう今さらでもなく、近代スペイン民族主義の高峰として、生前から、ひとしく同世代人や後輩から敬愛を受けた存在である。すなわちその影響は広く深いものがあったのだが、半面、教職には就かなかったことも手伝い、彼からじかに学んだ弟子という者はごくわずかしかいない。そのわずかなひとりが、エルネスト・ハルフテル(1905.l.16、マドリード~1989.7.5、同地)である。ハルフテルの父親は、スペイン首都に定住したドイツ人で、姓の綴りはHalffterである。スペイン語ではHはサイレントだが、この場合はドイツ系なので「ハルフテル」と読む(郷に入りては……で「アルフテル」としても、べつに間違いではないが)。父親はさして音楽には縁がなかったが、スペイン人の母親は、もともと音楽愛好の家庭に育っていてピアノをよくし、家には「ドビュッシーが得意な、フランス人の」母の友人なども訪ねてきたりした。そんな環境のもとで、まず音楽の魅力に捉えられ、早くから作曲家になりたいと思い始めたのは、エルネストから見て5歳年長にあたる兄のロドルフォだった。幼年期から少年期にかけて、エルネストは、母および兄からの強い影響のもと、音楽の世界に浸っていったと言っていい。
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