レコ芸アーカイブ

特捜プロジェクト・アニバーサリー作曲家2005
⑥エルネスト・ショーソン(生誕150年)[2005年6月号掲載]

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文・相場ひろ(あいば・ひろ)

1962年生まれ。81年より京都在住。90年から93年までパリ留学、99年より翌年までジュネーブ在住。 現在は大学でフランス語を教えると共に、文学などの講義を担当する。 音楽誌などにディスク・レビューを中心としたクラシック音楽に関する文章やプログラムの曲目解説を寄稿する。著書に『ON BOOKS advance もっときわめる! 1曲1冊シリーズ  ①ベートーヴェン:交響曲第9番』『同 ⑥フォーレ:《レクイエム》』(以上音楽之友社)がある。

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サイクリング中の
不慮の死


Ernest Chausson
1855~1899

1899年6月10日午後6時過ぎ、セーヌ川畔の小村リメの別荘で仕事に励んでいた44歳のエルネスト・ショーソンは、書きかけの楽譜を放り出して、長女のエチエンヌを連れ、パリからやってくる夫人と子供たちを駅に出迎えがてらサイクリングに出かけた。またがるにも走るにももたもたするのが常だった父親を待たずに、娘は先に家を出る。しかし、いつまでも追いついてこないのを不審に思った彼女は道を引き返し、家の門の前で父が血を流して側れているのを発見した。頭を地面に打ち付け、こめかみを割っての即死だった。 

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