≫特捜プロジェクト・アニバーサリー作曲家の他の記事はこちらから
文・相場ひろ(あいば・ひろ)
1962年生まれ。81年より京都在住。90年から93年までパリ留学、99年より翌年までジュネーヴ在住。 現在は大学でフランス語を教えると共に、文学などの講義を担当する。 音楽誌などにディスク・レビューを中心としたクラシック音楽に関する文章やプログラムの曲目解説を寄稿する。著書に『ON BOOKS advance もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ①ベートーヴェン:交響曲第9番』『同 ⑥フォーレ:《レクイエム》』(音楽之友社)がある。

20世紀後半以降の、いわゆる現代音楽の作曲家というと、誰もが思い浮かべる名前がいくつかある。彼らの多くは早くより意欲的な作品を発表して注目を浴び、また作曲の手法・理論に関する運動を展開することで、メディアを通じて自己の思想と作品を広く知らしめることができた、幸運な人々であるといっていい。
またその一方で、力のある、充実した音楽を数々生み出し、同僚たちからは多大な尊敬を受けながら、華やかな話題性とは無縁に活動を展開していった作曲家たちもまた少なからず存在する。例えば教師として多くの後進を指導した実績で知られるユン・イサンやクラウス・フーバーなどは、そうしたタイプに分類できることだろう。今回紹介するのは、彼らと同じ後者のカテゴリーに属したといっていいイタリアの作曲家、フランコ・ドナトーニである。1927年6月9日ヴェローナに生まれ、2000年8月17日に病没したドナトーニの、今年は生誕80周年にあたる。
このコンテンツの続きは、有料会員限定です。
※メルマガ登録のみの方も、ご閲覧には有料会員登録が必要です。
【ログインして続きを読む】下記よりログインをお願いいたします。
