構成・文・CDセレクト=芳岡正樹
過去71年分の旧『レコード芸術』誌には、来日した名演奏家たちの多くの貴重な写真が眠っています。当連載では、今から半世紀前(=1975年)前後の日本のクラシック界の活況を、それらの写真を通して振り返っています。1973年以降、旧『レコード芸術』では来日演奏家のグラビアが増ページになってきたため、第10回からは前篇(1月~6月)と後篇(7月~12月)に分けてご紹介していきます。






1973年の前半は、名演奏家の訃報が相次ぎ、2月19日にヨゼフ・シゲティ(1892年生まれ)、4月2日にヤッシャ・ホーレンシュタイン(1898年生)、4月16日にイシュトヴァーン・ケルテス(1929年生)、5月28日にハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900年生)、6月2日に近衛秀麿(1898年生)が亡くなり、とくに大指揮者の死が集中した。続く7月にも3日にカレル・アンチェル(1908年生)、6日にオットー・クレンペラー(1885年生)が鬼籍に入り、音楽ファンを深く悲しませた。
このコンテンツの続きは、有料会員限定です。
※メルマガ登録のみの方も、ご閲覧には有料会員登録が必要です。
【ログインして続きを読む】下記よりログインをお願いいたします。