アニバーサリー作曲家レコ芸アーカイブ
特捜プロジェクト・アニバーサリー作曲家 2006年⑤

アントン・ステパノヴィチ・アレンスキー
(没後100年)[2006年5月号掲載]

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文・増田良介(ますだ・りょうすけ)

音楽評論家。ショスタコーヴィチをはじめとするロシア・ソ連音楽、マーラーなどの後期ロマン派音楽を中心に、『レコード芸術』『CDジャーナル』『音楽現代』誌、京都市交響楽団などの演奏会プログラム、各社ライナーノート等に執筆。著書に『究極のオーケストラ超名曲徹底解剖66』(共著、音楽之友社)など。

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早熟の作曲家

Anton Stepanovich Arensky 1861~1906



今年没後100年を迎えたアレンスキーは、グラズノフやタニェエフらとともに、「5人組」やチャイコフスキーと、スクリャービンやラフマニノフの間の世代のロシアを代表する作曲家である。現在は一部の作品しか演奏される機会の少ないアレンスキーだが、45年という短い生涯に、3つのオペラをはじめ、2つの交響曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ曲、歌曲などかなりの数の作品を残している。どこか人懐こい旋律を洗練された技法で展開していくアレンスキーの作品は、いずれも完成度が高く、忘れられたままにしておくのは惜しい。メモリアル・イヤーを期にアレンスキー再評価の機運が高まることを期待しつつ、今月は彼の生涯と作品を紹介しよう。なお、アレンスキーのディスクについては、この作曲家に造詣の深い谷戸基岩氏が、本誌2006年3月号の「レコ芸相談室」(p319)でいろいろな録音を挙げておられるので、ぜひそちらもあわせて参照されたい。

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