構成・文・CDセレクト=芳岡正樹
過去71年分の旧『レコード芸術』誌には、来日した名演奏家たちの多くの貴重な写真が眠っています。当連載では、今から半世紀前(=1975年)前後の日本のクラシック界の活況を、それらの写真を通して振り返っています。第8回は1971年。万博で超来日ラッシュとなった翌年は、気鋭のスターから、いわば「いぶし銀」とも言える “実力派” 演奏家たちが来日、聴衆はじっくり音楽に耳を傾けた。






音楽史的に1971年は、4月6日に大作曲家ストラヴィンスキーが88歳で亡くなった年として記憶される。旧『レコード芸術』では5月号で速報的に三浦淳史氏により「今世紀最大の巨人 イーゴル・ストラヴィンスキー逝く」をグラビア4ページで掲載。6月号の巻頭言で村田武雄氏が「ストラヴィンスキーの死」と題して2ページ、特集「ストラヴィンスキー・イン・メモリアル」が17ページにわたって展開され(筆者は武田明倫、三浦淳史、岡俊雄の各氏)、「巨星墜つ」の衝撃の大きさがうかがえる。
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