今こそ、オーマンディ!特別企画
今こそ、オーマンディ!

来日指揮者は語る
オーマンディ「生れかわっても、やはり指揮者だ」
(第1回)

今年は名指揮者ユージン・オーマンディ(Eugene Ormandy 1899~1985)の没後40周年の記念すべき年です。ソニーミュージック(Sony Classical)より、オーマンディ=フィラデルフィア管のコンプリート・ボックス第3弾で、コロンビア録音の完結篇となる94枚組のメガBOX「ユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団 コロンビア・ステレオ・コレクション1964-1983が登場するなど、再評価の機運が高まっています。
ここでは、旧『レコード芸術』誌1967年6月号に掲載されたインタビュー記事(1967年5月2日/大阪グランド・ホテル、インタビュー・写真:編集部)を、グラビア写真とともに再録して3回に分けてお届けします。名指揮者の生の声をお楽しみください。

インタビューが掲載された1967年6月号のグラビア特写記事(左)と表紙(右)

 一ヵ月前には、ソヴェトで一、二の実カを誇るモスクワ・フィルハーモニーの底知れぬほど線の太い、ハーモニーに目を見張ったが、こんどは、アメリカの雄、フィラデルフィア管弦楽団が常任指揮者ユージン・オーマンディに率いられての来日である。こういったことは、欧米でもめったに味わえることではない。
 大阪国際フェスティバルのフィナーレを飾った一行は、5月1日夜、大型特別機で、大阪空港に直接乗入れた。40名からの夫人を同伴した150名という大世帯が、いかにも、このオーケストラの懐の豊かさを思わせる。
 ストコフスキーからバトンをひきついで31年間、このオーケストラを振りつづけているオーマンディは、話のわかる好々爺といった感じ。5月2日(初日の前日)の記者会見や本誌の単独インタビューにも終始愛想よく、質問に応じてくれた――。

30年つれそった夫婦仲

――オーマンディさんは30年以上もフィラデルフィアの常任指揮者をやっておられるのですが、マニストロのほうからみたフィラデルフィア・オーケストラの特徴といったものを御説明いただくと同時に、30年も同一のオーケストラの指揮者としておられる秘訣がおありでしたらお聞かせください。
オーマンディ ご質問はたいへんむずかしいですけれども、具体的にいえば、指揮者とオーケストラの関係は、夫婦関係と同様で、いっしょに生きているし、いっしょに音楽をやっているわけで、お互いに愛しているし、また喧嘩もする。ところが、いつもお互いの一つの目標は、完全な音楽をつくるということです。そして、すでにそういうオーケストラと指揮者の夫婦関係が30年以上続いているならば、まったく独特な、特殊な関係になってしまう。これは二つが一つになってしまったということだと思います。

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