
2025年は、日本におけるラジオ放送開始から100年の節目! レコ芸ONLINEからは、ラジオとクラシック音楽のかかわりを深める特別企画シリーズ「ラジオとクラシック」がはじまります。
ラジオでは、毎日のようにクラシック音楽番組が放送されています。いまレコード芸術ONLINEの画面の前にも、リスナー様がきっとおられるはず……。
そこで今回は、NHK-FMのクラシック音楽番組「ベスト・オブ・クラシック」「N響演奏会」「バイロイト音楽祭」にたびたび登場されている音楽学者の広瀬大介さんに、クラシック音楽番組の魅力+その印象的な放送音源が収められたディスクを、解説者の視点から紹介していただきました。
番組を聴いていた方も、そうでない方も、ディスクがきっと欲しくなりますよ!
文=広瀬大介(音楽学)
クラシック音楽番組の解説をはじめて15年
筆者が初めてNHK-FMでの解説のお仕事を引き受けたのは、2010年代初頭だったと記憶しております。NHK交響楽団定期演奏会のFM生放送。以来、15年近く、間にコロナ禍を挟みつつ(昨年度から生放送ではなくなってしまいましたが)、継続してお仕事を頂いており、大変ありがたいことと感謝しております。
「ベスト・オブ・クラシック」ないし「N響演奏会」と称する番組で筆者がお話ししているのは、そのときのプログラムによって異同はありますが、放送開始から実際に開演するまでの数分間、休憩時間(15〜20分)、終了後、という3つの部分です。話すべきことはかなり多岐にわたっており、当日のプログラムの解説と聴きどころ、指揮者・独奏者・オーケストラの紹介、そして実際に聴いた後のコメントです。前者ふたつはあらかじめ準備していくことができますが、最後のコメントばかりは、生演奏を会場で聴いた後、その場で聴いた心の高揚感を率直に、わかりやすく、可能ならばラジオの前で聴いている皆さまに演奏会場の雰囲気までが伝わるような語り口で伝えたい。そしてそれらを決められた、僅かな時間で頭の中で整理して伝えなくてはいけない、そんな仕事です。想像以上に脳味噌をフル回転させる必要があり、終わった後はだいたいグッタリ疲れます(笑)。
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