
今年2025年に生誕150年を迎えたヴァイオリニストそして作曲家であるフリッツ・クライスラー(1875~1962)の新刊評伝『フリッツ・クライスラー 変幻自在なヴァイオリニスト』の刊行に関連して、クライスラー以外の名ヴァイオリニスト10人によるヴァイオリン小品集について、その名盤を芳岡正樹さんに繙いていただきました。
選・文:芳岡 正樹(音楽評論)
1923年に来日したとき、人力車の車夫までもレコードにサインを求めてきた、との逸話があるフリッツ・クライスラー(Fritz Kreisler 1875~1962)は、単なるヴァイオリニストにとどまらず、クラシック音楽の枠さえも超えた、当代一流の世界的エンターテイナーだった。自他の作曲による魅惑的な小品を集めた彼のリサイタル・プログラムは、1曲ずつ当時のSPレコード(片面に約4分収録)に録音され、世界の人々に愛された。クライスラー引退後のLPレコードやCDの時代になると、収録時間も伸び、1枚の音盤上に約1時間の小品リサイタルを再現できるようになった。ここでは、そうしたヴァイオリンの魅力あふれる小品集をご紹介したい。
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