タワーレコード・オリジナル企画盤 VICTOR x TOWER RECORDS
<シュタルケル生誕100周年記念企画>
1970年代にビクターに残した全音源をSACDで最新復刻
~シュタルケル来日時に実現した奇跡の録音。プロデューサーとして井阪紘、エンジニアは菅野沖彦、依田平三というトップエンジニアが担当し究極の音を目指した名盤を復刻。
今回、「パガニーニの主題による変奏曲」は初公開となる別テイクを初めて収録!
今回の復刻にあたり、SACD層はオリジナルのアナログ・マスターテープからダイレクトにDSD化。CD層はDSDでデジタル化後、出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成。2024年にビクタースタジオでオリジナル・アナログ・マスターテープからデジタル化を行いマスタリング
<仕様>:SACDハイブリッド、スリムケース仕様、盤面緑色仕様、オリジナル・ジャケット・デザイン採用、
新規序文解説とLP初出時の筆者による解説も一部復刻
永久保存盤 世界初SACD化 最新復刻 税込 5,830円
音源:ビクターエンタテインメント
マスタリング・エンジニア:山崎 和重氏(FLAIR MASTERING WORKS)
2024年11月20日(金)リリース予定
企画・販売:TOWER RECORDS
制作・発売:株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
シュタルケル
シューベルト/フランクの初出LPジャケット
2022年9月にスタートしたビクター所蔵のアナログ音源のSACD化企画、最新第6弾をリリースします。今回は今年(2024年)に生誕100年という記念の年を迎えたヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が日本ビクターに残した全2枚のアルバムを世界初SACD化としてお届けします。シュタルケルの代名詞ともなった「コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ」の唯一の全曲かつステレオ録音であることで有名な音源であり、2007年にはタワー企画盤のCDでもリリースされ、大ベストセラーとなりました。今回、初SACD化に加え前回のタワー企画盤CD時には未収録であった「パガニーニの主題による変奏曲」の別テイクを2種収録(うち1種は2013年に別会社よりCD化済)しています。DISC1の4曲目の方は今回初公開となる別テイクで貴重な音源です!今回もビクターに保管されていたオリジナルのアナログ・マスターテープの状態は非常に良好でしたので、従来のCD以上の音質に注目ください。また今回もSACD化の過程に拘り、極力ロスが少ない工程でマスターテープを忠実に再現するべく最良の方法を選択し、SACDで聴くための復刻を重視しました。解説書はLP初出時のものを、一部を除いて可能な限り再掲し、各新規序文解説も掲載しました。パッケージならではの永久保存盤としてお楽しみください。
<今回の音源の工程に関して>
●SACD層:新規でオリジナル・アナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD化(2.8MHz)
●CD層:同様にDSDでデジタル化後、出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成
●上記一連の工程は、ビクタースタジオの山崎和重氏ルームで2024年に実施
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。
シュタルケル
ビクタースタジオでの録音風景
ヤーノシュ・シュタルケルの芸術~コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ他(2024年マスタリング)(SACDハイブリッド)
ヤーノシュ・シュタルケル、岩崎淑、ジェルギー・シェベック
[NCS88034/5 (2SACDハイブリッド) 5,830円(税込)]
【収録曲】
<DISC1>
1. ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
2. コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8
3. ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
(12.4ビクタースタジオ録音)(変奏5,7はなし)
4. ボタームント-シュタルケル編:パガニーニの主題による変奏曲
(12.5杉並公会堂録音) *別テイク。今回初収録
<DISC2>
5. シューベルト:チェロ・ソナタ イ短調 「アルペジョーネ」 D.821
6. フランク:チェロ・ソナタ イ長調
【演奏者】
ヤーノシュ・シュタルケル (チェロ)
岩崎淑 (ピアノ) (5)、 ジェルギー・シェベック (ピアノ) (6)
【録音】
1970年12月4日 ビクタースタジオ (2,3)、 1970年12月5日 杉並公会堂 (1,4,5)、 1971年1月23日 ミラノ (6)
【Original Recordings】
プロデューサー:松本矩典、 ディレクター:井阪 鉱、 エンジニア:菅野沖彦 (1,4-6)、依田平三 (2,3)
【マスタリング・エンジニア】
山崎 和重(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
ビクターエンタテインメント
岩崎淑とシュタルケル
杉並公会堂での録音風景
<シュタルケル生誕100周年記念企画>
シュタルケルが挑んだコダーイの秘曲(ノーカット録音)他、1970年来日時含むビクター音源を網羅!エンジニア菅野沖彦氏による優秀録音をアナログ・マスターに遡り世界初SACD化!新規序文解説付。原音を追求したマスタリングを実施
シュタルケル来日時に実現した奇跡の録音!プロデューサーとして井阪紘、エンジニアは菅野沖彦、依田平三というトップエンジニアが担当し究極の音を目指した名盤を復刻。2013年に逝去した巨匠ヤーノシュ・シュタルケル。1970年代に彼がビクターに残した全音源をSACDで復刻。コダーイの無伴奏チェロ・ソナタは他でも沢山の音源を残したシュタルケルとしては初めてのステレオ録音であり、それまでは一部カットしていましたが、この録音では全曲を完全収録した初めての音源です。シュタルケルの代名詞ともなったこの曲の唯一の全曲かつステレオ録音であることで有名な音源であり、この2枚組の形態として2007年にはタワー企画盤のCDでもリリースされ、大ベストセラーとなりました。今回、初SACD化に加え前回のタワー企画盤CD時には未収録であった「パガニーニの主題による変奏曲」の別テイクを2種収録(うち1種は2013年に別会社よりCD化済)しています。DISC1の4曲目の方は今回初公開となる別テイクで貴重な音源です。
今年(2024年)生誕100年を迎えたヤーノシュ・シュタルケル(1924年7月5日~2013年4月28日)はは1960年の初来日以降、10度も来日し、演奏家としてその妙技と深みのある解釈を披露し、教育者としてマスタークラスを開催して日本人チェリストの育成に多大な貢献をした偉大な存在でした。また、レコーディングでも1966年に米マーキュリーとの専属契約が切れ、1990年にBMG(RCA)の専属となるまでの間に、シュタルケルの重要なレパートリーがビクターやトリオ、コロムビアといった日本のレコード会社に続々と録音されたでも知られています。その先鞭を着けたのはビクターで、ディレクターの井阪紘氏が1970年、3度目の来日の機会に録音できないかと1年半前からシュタルケルと手紙で交渉し、LPレコード2枚分の録音が実現しました。セッションは1970年12月4日にビクタースタジオ(コダーイとボッタームント)、12月5日に杉並公会堂(シューベルトとボッタームント)で行われましたた。最も注目されたのは、彼の代名詞ともなったコダーイの無伴奏チェロ・ソナタの再録音(ステレオでは初録音)です。この録音を含む彼の4回のコダーイ無伴奏録音は、下記のようになります。
(1)1948年、パリ 仏パシフィック SP 4枚組 1948年フランス・ディスク大賞受賞
(2)1950年、ニューヨーク 米ピリオド LP モノラル録音(「松脂が飛び散るような」と言われた優秀録音 技師:ピーター・バルトーク)
(3)1957年10月、ロンドン 英コロムビア LP モノラル録音
(4)1970年12月、東京 日ビクター LP ステレオ録音(当録音)
シュタルケルは(1)~(3)の録音で、第2楽章の23小節分と第3楽章のスコア1ページ分をカットして演奏していました。これはソナタがSPレコード4枚8面やLPレコードの片面に収めるには長すぎたことと、演奏効果を考えてのカットで、コダーイの許可を得てのものでした(実際、(1)~(3)はコダーイの生前に発売されています)。事前に(2)を聴いてカットに気付いていた井阪氏は(4)に際してシュタルケルにノーカットの録音を提案。シュタルケルは快諾し、シュタルケル初のノーカット演奏による記念碑的な名盤が生まれました。海外では1987年に米デロス(DELOS)によりCD化され、シュタルケルの代表盤として世界で聴き継がれています。日本では1985年のVDC1017(CD[廃盤])以来、過去4度CD発売されましたが、今回、初めてオリジナル・アナログマスターに遡ったDSD化が実現しました。
無伴奏チェロによる『パガニーニの主題による変奏曲』は、ベルリン・フィルの首席チェロ奏者(1926~49年)を長年務めたハンス・ボタームント(1892~1949)が、若き日の1911年に発表したパガニーニのカプリス第24番を主題とした14の変奏曲とコーダからなる作品。シュタルケルは主題と気に入った8曲(第1、6、7、8、11、12、14変奏とコーダ)を選んだ楽譜を作成。彼はこの作品をコンサートのアンコールで演奏していたが、録音はこれが唯一のものとなりました。ここでは12月4日のビクタースタジオ、5日の杉並公会堂の2種の録音が収録されています。LPでは音が柔らかく録れた杉並公会堂での録音が採用されました。興味深いのが、今回初公開される杉並公会堂での別テイクで、LP採用テイクと微妙なタッチや強弱の差はあるものの、各トラックのタイミング差は殆どないことです。シュタルケルの「テンポが狂わない」技術が図らずも証明されました。
2枚目のシューベルトとフランクの名作ソナタも、シュタルケルの唯一の録音となった貴重なものです。シュタルケルは1970年の来日時に初めて岩崎淑と共演し、彼女を激賞。室内楽ピアニストとして、相手にぴたりと合わせる技術と柔軟性、豊かな音楽性を持ち合わせた岩崎淑は、ここでもシュタルケルの表情豊かな演奏を巧みにサポートし、息のあった演奏を聴かせてくれます。
一方フランクは、1971年1月23日にイタリア、ミラノでの録音。ピアニストは長年の共演パートナー、同郷のジェルジ・シェベック(1922~99)。二人のヨーロッパ・ツアーでこの曲をプログラムに入れ、共演を重ねての録音でした。冒頭和音の詩的なタッチからシェベックの芸術性に陶然となってしまいますし、第2楽章でのチェロとピアノの激しい応酬で二人が五分で組み合いながら、柔らかな部分では二人が阿吽の呼吸でテンポと音量を落として味わい深い表情を見せるなど、二重奏の醍醐味を満喫させてれます。
今回の復刻では、当時の雰囲気を存分に伝える優秀録音をビクター所蔵のオリジナル・アナログ・マスターテープから最新で復刻を行いました。いずれも貴重な音源です。ビクターが温度管理も含め厳重に保管していたオリジナルの2chのアナログ・マスターテープを用い、録音当時も使用していたスチューダーのA-80で再生した音源をSACD層用にはDSDでダイレクトに、CD層用には同じくDSD化された音源を基に出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kMzに変換しています。製品化にあたってはスタジオでマスターテープと比較の上、DSD2.8MHz、DSD5.6MHz、DSD11.2MHz、PCMは44.1kHzから192や384等、可能な限りのレートで試聴を行った上で、DSD2.8MHzのダイレクトを採用しました。これは、SACDのフォーマットが2.8MHzのため工程で一番ロスが少ないこと(他のレートでは最終的に2.8MHzに変換するため工程が多くなる)で、楽器の質感や音色が一番アナログ・マスターテープに近かったことによります。もちろん、音楽性を重視した最小限のマスタリングに留めています。そのため、本来のアナログ・マスターテープに極めて近似した音を再現できました。尚、CD層はDSD化音源を使用し調整しています(今回、全工程は広義な意味も含め「マスタリング」という言葉を使用しています)。当時のビクターによる録音技術の粋を集めた素晴らしい音源が、今回の復刻ではまさに蔵出し的な意味合いも十分感じられる出来に仕上がっていますので、現在の技術を用いたこの素晴らしい録音を最大限お楽しみいただけます。
尚、解説書には貴重なLP初出時の各解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケットにはコダーイ他のオリジナル・ジャケット・デザインを採用し、シューベルト他は解説書裏にカラーで収納しています(各ジャケットの裏もカラーで掲載)。また、複数の写真、初出時の貴重な解説も再掲載しました。
※ タワーレコード限定販売。限定盤
※ SACDハイブリッド盤
※ 世界初SACD化
※ スリムケース仕様
※ 2024年最新マスタリング音源使用(マスタリング・エンジニア:山崎 和重氏)
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(他ジャケットを解説書他に一部掲載)
※ オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※ 解説書:板倉 重雄(新規序文解説)、ヤーノシュ・シュタルケル、粟津則雄氏、岩井宏之氏、西村弘治氏、岡俊雄氏、山崎謙氏、井阪紘氏による各初出時解説を再録、解説書合計40ページ
企画・制作:タワーレコード