柴田南雄の名連載『新・レコードつれづれぐさ』第13回は、シェーンベルク! 長年聴く機会のなかった《ヤコブの梯子》補完完成版をはじめとする名作が、ブーレーズ指揮BBC響のCBSソニー盤で登場。その待望の録音は、いかに聴かれたのでしょうか。
※文中レコード番号・表記・事実関係などは連載当時のまま再録しています。

始めあること終りなし
ピエール・ブーレーズ指揮、BBC交響楽団、BBC合唱団ほか演奏の『シェーンベルク作品集』(CBS・ソニー 75AC1735~37)は、聴きごたえのあるアルバムであった。曲も演奏も結構で、ブーレーズは以前よりも一段と、音楽に充ち満ちた演奏をするようになった。こういう演奏で初期のシェーンベルクを聴くのは、わたくしには大きな楽しみに値する。
中でも、このアルバムの最大の楽しみは大規模なオラトリオ《ヤコブの梯子》が聴けることで、わたくしはすでに何回も繰り返し、聴いた。これは、わたくしにとって、いわば幻の大曲というべきものであった。
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