≫特捜プロジェクト・アニバーサリー作曲家の他の記事はこちらから
文・相場ひろ(あいば・ひろ)
1962年生まれ。81年より京都在住。90年から93年までパリ留学、99年より翌年までジュネーヴ在住。 現在は大学でフランス語を教えると共に、文学などの講義を担当する。 音楽誌などにディスク・レビューを中心としたクラシック音楽に関する文章やプログラムの曲目解説を寄稿する。著書に『ON BOOKS advance もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ①ベートーヴェン:交響曲第9番』『同 ⑥フォーレ:《レクイエム》』(音楽之友社)がある。

1980年、カンタータ《ペスト》の上演に接した柴田南雄は、雑誌の時評に次のように書き記している。「ロベルト・ジェラルドを知る好楽家はまずいないだろう。しかし彼はなかなか力のある作曲家である。(中略)今後、4曲のシンフォニーをはじめとする彼の作品は、だんだんに陽の目を見ることだろう」(『聴く歓ぴ』新潮社刊)。90年代に湧き上がった再評価の気運によって、こんにち彼の代表作のほとんどは録音で聴くことができるようになった。まさに柴田の言葉の通り、「だんだんに陽の目を見」ているさなかと言えるであろうジェラルドは、今年生誕110年を迎える。今回は彼の生涯と作品を紹介する。
このコンテンツの続きは、有料会員限定です。
※メルマガ登録のみの方も、ご閲覧には有料会員登録が必要です。
【ログインして続きを読む】下記よりログインをお願いいたします。