『週刊フィッシャー=ディースカウ』　Nr.9《マタイ受難曲》①

今年2025年は、ドイツの名バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ（1925.5.28～2012.5.18）［文中、DFDと略記］の生誕100周年アニバーサリー。ドイツ・リートをメインに、オペラ、宗教曲にも膨大な録音を遺した彼の、いずれも第一級の芸術品を、季節に合わせたテーマに沿って、吉田真氏（ドイツ文学・音楽評論）のナビゲートで毎週紹介しています。本日4月18日は「聖金曜日」ですが、その予習篇として前回はワーグナー《パルジファル》を、そして4月20日までの受難週（聖週間）に合わせて、今回から2回にわたってバッハ《マタイ受難曲》《ヨハネ受難曲》を取り上げます。DFDは両受難曲でイエスとバス・アリア双方で見事な歌唱の録音を遺しています。※取り上げる多くのLP/CD/DVDは現在廃盤となっており、掲載のジャケット写真のディスクには入手困難なものも含まれます。