
2024年をもって指揮活動から引退した井上道義にインタヴューする機会を得たのは、2025年8月1日のこと。「お元気そうでなにより」といった雰囲気ではなく、彼が纏っている独特なオーラは健在であり、2時間以上にわたって、大いに語っていただいた。今回は、その中から、ディスクとしては、現在進行中となるショスタコーヴィチの交響曲全集についての話をピックアップして、お届けすることにしたい。
①ショスタコーヴィチの音楽との出会いについて(無料記事)
②2度目の「ショスタコーヴィチ/交響曲全集」について(有料記事)
③江崎友淑プロデューサーは語る(有料記事。2025年9月12日公開予定)
Interview & Text=満津岡信育(音楽評論)
Photo=編集部
ショスタコーヴィチは「自分たちの音楽」として響く
ショスタコーヴィチの2度目の交響曲全集は、7月に発売された「第13番《バビ・ヤール》」が第8作でした。これまでに、第2~5、7・8・10・11・13番の9曲がリリース済みです。残りの6曲も既にライヴ録音は完了しているということですね。




左から『交響曲第4番』[OVCL00550]、『交響曲第7番《レニングラード》』[OVCL00586]、『交響曲第11番《1905年》』[OVCL00627]、『交響曲第2番《十月革命に捧げる》,同第3番《メーデー》』[OVCL00689]




同じく左から『交響曲第8番』[OVCL00761]、『交響曲第5番』[OVCL00822]、『交響曲第10番』[OVCL00839]、『交響曲第13番《バビ・ヤール》』[OVCL00893](いずれもエクストン。各品番のリンクはオクタヴィア・レコードの商品ページ)
井上 録音は終わっている。あと、ディスクとして出すのは、彼(江崎友淑プロデューサー)の方にすべてがかかっている。僕は、明日にでも全部出したいんだけど、彼としてはそういう売り方はしないみたい。一番彼が考えそうなのは、俺が死んでから少しずつ追悼として出そうと思っている(笑)。
もちろん、江崎プロデューサーは、「そんなことはありません」と即座に否定した。
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