タワーレコード・オリジナル企画盤
VICTOR x TOWER RECORDS
貴重なビクターへのステレオ録音を2種に集成
●オーケストラル・スペース1966 & 1968(2枚組)
武満徹と一柳慧の企画・構成による音楽祭「オーケストラル・スペース1966&1968」のLPレコード3枚分のライヴ録音を2枚に集成!若き作曲家達の実験的作品を小澤征爾や若杉弘が読売日響を指揮し生まれ出たサウンド他を、オリジナル・アナログ・マスターテープに遡り初SACD化!新規序文解説付。原音を追求したマスタリングを実施
この2枚組には、作曲家の武満徹と一柳慧が企画・構成し1966年5月のゴールデンウィークに開催された現代音楽の音楽祭「オーケストラル・スペース1966」のLPレコード2枚分のライヴ録音と、1968年6月に開催された「オーケストラル・スペース1968」第2回現代音楽祭のLPレコード1枚分のライヴ録音が収録されています。尚、今回の初SACD化復刻は、2006年にタワー企画盤(Tower Records Victor Heritage Collection)としての初CD化以降、久しぶりの発売となります。
【曲目】
〈DISC1〉
「オーケストラル・スペース 1966 Volume I」
1. 武満 徹:ピアノと管弦楽のための「弧」 第1部 (1963-66)
2. 高橋 悠治:ピアノのための「クロマモルフ II」(1964)
3. 一柳 慧:オーケストラと多種の変調器、 磁気テープのための「ライフ・ミュージック」(1964-66)
4. 湯浅 譲二:2つのフルートのための「相即相入」 (1963)
「オーケストラル・スペース 1966 Volume II」
5. リゲティ:アトモスフェール (1961)
6. クセナキス:ストラテジー (1962)
〈DISC2〉
7 ケージ:18回目の春を迎えたすばらしい寡婦 (1942)
8 レイノルズ:アンバージュ (1964)
9. 安達 元彦:合奏協奏曲 (1965) (時間の都合で第3楽章は割愛)
「オーケストラル・スペース 1968」
10. 武満 徹:クロストーク (2つのバンドネオンとテープ音楽のための) (1968)
11. 高橋 悠治:6つの要素 (4つのヴァイオリンのための) (1965)
12. ライヒ:ピアノ・フェーズ (2台のピアノのための) (1967)
13. ケージ:プリペアードピアノと室内オーケストラのためのコンチェルト (1951)
【演奏】
小澤 征爾[指揮]/読売日本交響楽団(1,5)、高橋 悠治[ピアノ](2)、小澤 征爾[指揮]/若杉 弘[指揮]/読売日本交響楽団(3,6)、
吉田 雅夫[フルート]/野口 龍*[フルート](4)、増田 睦美[ソプラノ]/若杉 弘[ピアノ](7)、野口 龍*[フルート](8)、
若杉 弘[指揮]/読売日本交響楽団(9)、池田 光夫、前田 照光[バンドネオン](10)、
植木 三郎、板橋 健、真峰 紀一郎、渡辺 恭孝 [ヴァイオリン](11)、一柳 慧、土屋幸雄 [ピアノ](12)、
一柳 慧[ピアノ]/秋山 和慶[指揮]/日本フィルハーモニー交響楽団(13)
*編注=当時の表記は「竜」
【録音】
1966年5月1, 2, 4日 日生劇場(ライヴ)(1-9)、 1968年6月5日 日経ホール(ライヴ)(10-12)、 1968年6月7日 日比谷公会堂(ライヴ)(13)
【マスタリング・エンジニア】
山崎 和重(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
ビクターエンタテインメント
●黒人霊歌集/ミュージカル・ハイライト
小澤征爾の指揮活動の原点!若き精鋭として活躍の一途をたどる最中の小澤征爾指揮による超稀少な合唱作品2種を、ビクター所蔵のオリジナル・アナログ・マスターテープから最新復刻!世界初SACD化!「ミュージカル・ハイライト」は初出盤掲載の”永 六輔”氏による解説をCD化以降では初掲載!新規序文解説付。原音を追求したマスタリングを実施。
若き日の小澤征爾が1961年にビクターへ録音した2枚の10インチ(25センチ)ステレオLPレコードの音源を、ビクターが保管していた貴重なオリジナル・アナログマスターからDSD化し、1枚のSACDハイブリッド盤に収めています。『東混「黒人霊歌」』は1961年12月に発売され、『ミュージカル・ハイライト』(品番;SLV526)は1962年4月に発売されました。
文学の世界では「デビュー作品に全てがある」とよく言われますが、ここにも小澤征爾の音楽人生が色濃く反映されています。まず、合唱が小澤征爾の指揮活動の原点であったこと。彼は中学3年のときに学内の仲間で合唱団「讃美歌グループ」を作り、初めて指揮をしました。また、男声合唱団「コーロ・カステロ」に顔を出して黒人霊歌やロシア民謡を歌い、「自分で声を出しながら、指揮により音楽が変わることを経験して衝撃を受けた」と述懐しています。最初の1枚が『東混「黒人霊歌」』となったのは単なる偶然ではありませんでした。
また、『ミュージカル・ハイライト』が『ウエスト・サイド物語』の作曲者バーンスタインと小澤征爾の結びつきから生まれたことも、実は深い意味があります。小澤征爾と『ウエスト・サイド物語』の結びつきは想像以上に深く、彼は『ウエスト・サイド物語』映画化の際にニューヨーク・フィル副指揮者として手助けしていました。共演がジャズ界の原信夫とシャープ&フラッツというのも意外かも知れませんが、彼らはクラシックの演奏会にもしばしば登場。1959年10月にシュヒター指揮NHK交響楽団と共演し、リーバーマンの「ジャズバンドとオーケストラのための協奏曲」を日本初演したほか、1964年5月の日本フィルとの『ウエスト・サイド物語』組曲で再び小澤征爾と共演しています。同様に東京混声合唱団との関係も、録音後も続き、日本フィル(分裂前)や新日本フィルとベートーヴェンの第九演奏会や定期演奏会などで共演を重ねていきました。こうした、出会いを通じて音楽仲間を増やしてゆくことは、いかにも小澤征爾らしいところで、ここにはその最初の幸福な出会いが刻み込まれています。
【曲目】
「黒人霊歌集 Negro Spirituals」
1. だれも知らない私の悩み
2. 海を渡れ
3. ドライ・ボーンズ
4. ゆれるよ幌馬車
5. 少年ダビデよ竪琴ならせ
6. 主はダニエルを救い給う
7. イエスのもとにのがれよう
8. 人皆祈りぬ
9. 時には母のない子のように
10. ゆけ、モーゼ
「ミュージカル・ハイライト Musical Highlight」
11. おお美しき朝~「オクラホマ !」より
12. サマータイム~「ポーギーとベス」より
13. セプテンバー・ソング~「ニッカボッカ・ホリデイ」より
14. 君はわがすべて~「ベリー・ウォーム・フォー・メイ」より
15. バリ・ハイ~「南太平洋」より
16. トゥナイト~「ウエスト・サイド物語」より
17. 人生はひとりじゃない~「回転木馬」より
【演奏】
東京混声合唱団
ビクター・アンサンブル(1-10)、 原信夫とシャープ&フラッツ(11-17)
小澤 征爾[指揮]
【録音】
1961年9月8日 ビクター第1スタジオ (1-10)、 1961年文京公会堂ライヴ録音 (11-17)
【マスタリング・エンジニア】
山崎 和重(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
ビクターエンタテインメント
企画・制作:タワーレコード株式会社