
2025年10月2日の第19回ショパン国際ピアノ・コンクールの開幕まで、もうまもなく。一次予選に臨むコンテスタント(出場者)のなかには、ディスクがリリースされている方もいます。そのようなディスクを、編集部が調べました。さらにおすすめ副読本も! 観戦とあわせて、ぜひチェックしてみてください♪
[第19回ショパンコンクール日程]
10月2日(木) オープニングコンサート
10月3日(金)〜7日(火) 一次予選
10月9日(木)〜12日(日) 二次予選
10月14日(火)〜16日(木) 三次予選
10月17日(金) ショパン没後176年記念コンサート
10月18日(土)〜20日(月) ファイナル
10月21日(火)〜23日(木) 入賞者コンサート
[関連リンク]
・ショパン国際ピアノ・コンクール特設ページ(音楽之友社HP内)はこちら
・一次予選に臨むコンテスタントの一覧(Web「ONTOMO」のページ)はこちら
・ショパン国際ピアノ・コンクール公式ホームページ(ポーランド語)はこちら
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コンテスタントのディスク10選
ピアノ・リサイタル(桑原志織)
桑原志織(1995~)は、ルービンシュタインとブゾーニの両方の国際コンクールで日本人史上最高位を得たピアニスト。2025年のエリザベート王妃国際コンクールではファイナリストとなった。第19回のショパコンへは、シード権を得ての参戦だ。このアルバムはブラームス、シューベルト、リストの作品を収めたものである。
♪関連記事 新譜月評「桑原志織 ピアノ・リサイタル~ブラームス・シューベルト・リスト」

束の間の幻影(ナターリア・ミルステイン)
ナターリア・ミルステイン(1995~)はロシア系フランス人で、プロコフィエフやラヴェルに定評のあるピアニストだ。2015年のダブリン国際ピアノコンクールで1位に輝き、ヨーロッパを中心に活躍している。このアルバムはプロコフィエフの《束の間の幻影》を軸に、ショパンなどの作品を集めたもの。

束の間の幻影
ナターリア・ミルステイン(p)
〈録音:2020年7月〉
[Mirare(D)MIR548(海外盤)]
ラフマニノフ:音の絵(アルベルト・フェロ)
アルベルト・フェロ(1996~)はイタリア出身で、2016年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで6位入賞と聴衆賞受賞を果たして脚光を浴びる。紹介盤は2019年リリースのデビュー・アルバム。彼が強く思い入れを抱くラフマニノフを収めている。第19回のショパコンへは、シード権を得ての参戦となる。

ショパン:24の前奏曲,他(エリック・ルー)
エリック・ルー(1997~)はアメリカ生まれ。幼少期からショパンに親しんできたという。17歳のとき、2015年の第17回ショパコンで4位入賞を果たしてクラシックファンの注目を集めた、3年後にはリーズ国際ピアノコンクールで優勝を果たし、翌年にこのショパン・アルバムを録音する。ショパコンへは10年ぶりの挑戦である。

ショパン:24の前奏曲,他
エリック・ルー(p)
〈録音:2019年8月〉
[ワーナー・クラシックス(D)WPCS28508]SACDハイブリッド
※2025年9月24日発売予定
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ショパン・リサイタル2022(牛田智大)
牛田智大(1999~)のデビュー年は2012年、第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールにて1位に入賞したとき、彼は12歳だった。これはデビュー10周年記念リサイタルを収めたアルバムで、オール・ショパン・プログラムが組まれていた。第19回ショパコンへは、シード権を得て参戦する。

ショパン/ピアノ作品集(シュエホン・チェン)
シュエホン・チェン(1999~)は北京にある中央音楽院の特別コースで学び、国内外でコンサート・ピアニストとして活躍中の、中国の若きホープだ。前回の第18回は二次予選まで進んでいて、今回の第19回が3度目の挑戦となる。このアルバムは、そんな彼によるショパン・アルバムである。

ショパン/ピアノ作品集
シュエホン・チェン(p)
〈録音:2018年8月(L)〉
[Accentus Music(D)ACC304651CD(海外盤)]
第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ(イ・ヒョク)
イ・ヒョク(2000~)は韓国出身。2016年のパデレフスキ国際ピアノ・コンクール、2022年のロン=ティボー国際ピアノ・コンクールで優勝したことでも話題になった。彼は、ヴァイオリンとチェスの名手でもあるという。前回の第18回コンクールではファイナリストに選ばれている。
♪関連記事 新譜月評「イ・ヒョク~第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ」

第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ(進藤実優)
進藤実優(2002~)は10代でロシアに渡り、モスクワ音楽院付属中央音楽学校で学んだ。2017年の浜松国際ピアノアカデミーコンクールでは1位入賞を果たしている。また前回、第18回ショパコンではセミ・ファイナルで小林愛実、反田恭平に次ぐ得点を得た。

第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール・ライヴ(エリック・グオ)
エリック・グオ(2002~)はカナダ出身で、2023年に開催された第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで優勝を果たしたピアニスト。彼はもともと、ピリオド楽器に慣れていなかったというが、コンクール期間中に才能を開花させたようだ。今回は彼の本領(?)、モダン楽器のコンクールへの挑戦となる。

ショパン・リサイタル(ハオ・ラオ)
ハオ・ラオ(2004~)は中国出身。第18回ショパコンでは、中国勢22名のコンテスタントでは唯一のファイナリストに選ばれ、多くの注目を集める。このアルバムは、翌2022年のリサイタルを記録したもので、コンクール時とは異なる音楽世界を構築している。

ハオ・ラオ~ショパン・リサイタル ※日本語解説付き
ハオ・ラオ(p)
〈録音:2022年2月(L)〉
[NCPA Classics(D)816501351S(2枚組,海外盤)]
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おすすめ副読本3選
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1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。9月18日発売の2025年10月号では、特集「開幕直前!第19回ショパン国際ピアノコンクール徹底解説」が組まれている。

音楽の友 2025年10月号
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発売日:2025年9月18日
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[MOOK]ショパンとショパン・コンクール
1927年に始まったショパン・コンクールは、まもなく創設100周年を迎える。20世紀の往年のショパン演奏家として名を馳せた歴代の入賞者から現代の最前線までを紹介し、ショパン・コンクールをめぐる100年の歴史をたどる。そして作曲家の生涯を紹介しつつ、主要曲の名盤紹介を掲載、作品の本質に迫る。ショパン・コンクールと作曲家ショパン、その作品から演奏まで分かるダイジェスト的な1冊。

ショパン国際ピアノコンクール創立100年記念 ショパンとショパン・コンクール
音楽の友 編
発行:2025年9月18日
ISBNコード:9784276963801
[書籍]ショパン・ハンドブック
ショパン・コンクールをさらに楽しみたい方へ贈る一冊! PART1は、ショパンの生涯・人間像を知ることができるコンパクトな評伝。PART2では、2025年に行なわれるショパン・コンクールの全課題曲をポイントをしぼって解説。PART3では、新旧50人のピアニストがショパンへのあふれる想いを語る。

もっと聴きたい! さらに知りたい! ショパン・ハンドブック
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発行:2025年10月
ISBNコード:9784276210929
※2025年10月4日より順次発売予定
Text:編集部(H.H.)