構成・文・CDセレクト=芳岡正樹
過去71年分の旧『レコード芸術』誌には、来日した名演奏家たちの多くの貴重な写真が眠っています。当連載では、今から半世紀前(=1974年)前後の日本のクラシック界の活況を、それらの写真を通して振り返っていきますが、第1回はさらにその10年前(1964~65年)にさかのぼり、第2回以降、順に名演奏家たちの名ショットを掘り起こしていきます。
1964年は高度経済成長のただ中にあり、東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通し、日本が戦争の痛手から完全に立ち直った時期にあった。1953年に約5万枚でスタートした国産LPレコードの生産数量も、1959年には約500万枚に急進、64年には約1,400万枚に達していた(日本レコード協会「音楽ソフト 種類別生産数量推移」https://www.riaj.or.jp/g/data/annual/ms_n.html)。それと並行するように来日演奏家も急増。「音楽年鑑」昭和40年版(音楽之友社)に「外来演奏家で大にぎわい」の見出しが躍ったほどで、そのステージや会見での写真、休日のオフショットが「レコード芸術」誌のグラビアを飾る機会も多くなっていった。
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