トーキョー・モデュレーション

   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第18回/沼野雄司

リンゴのような音楽が春を告げる また来ん春と人は云ふしかし私は辛いのだ春が来たつて何になろあの子が返つて来るぢやない(中原中也『在りし日の歌』)  卒業式や入学式といったものに、あまり心を動かされるこ...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第17回/沼野雄司

オランダのアニキが古代ギリシャにもの申す  音楽ってのは、常に社会に物申すんだ(Music is always a commentary on society.)――フランク・ザッパ  自分に兄がいな...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第16回/沼野雄司

調子っぱずれの歌が18世紀と現代を貫通する  俗を用いて、俗を離るる。俗を離れて俗を用いる。――与謝蕪村  大学時代に中世・ルネサンスの音楽史を学びはじめたとき、「世俗音楽」という語がなんだか滑稽に感...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第15回/沼野雄司

あらゆる種類の発話がグルグル移動する  ――俺たちは日本語でリズムを作ることを突き詰めようと思ったんだ。そんな時に手に取ったのが、この『日本語の歴史』(山口仲美、岩波新書)。Mummy-D(RHYME...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第14回/沼野雄司

ランゴー、ノアゴー、天気予報  もしだれか他の作曲家がモーツァルトと競争しようとしたら、『ドン・ジョヴァンニ』をもう一度作曲するよりほかになすべきことはないであろうキルケゴール『あれか、これか』  音...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第13回/沼野雄司

彼女はジャンルを愛し、そして憎む  ―――「音楽をジャンル分けするなんて意味がない。いい音楽があるだけだ」マイルス・デイヴィス  今年の夏、文科省は理系学部に対する私学助成金を引き上げるという決定を行...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第12回/沼野雄司

なにごとかが映画館とホールのあいだを行き来する ―――昔、映画『砂の女』を作った時、前衛的な音楽を書いた。音楽も、とってもよかったって言われたのに『砂の女』をもとにして《地平線のドーリア》(1967)...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第11回/沼野雄司

打楽器奏者が鎌を研ぐ 希望と恐れは不可分である。希望のない恐れも、恐れのない希望も存在しない。 ラ・ロシュフコー    先般の選挙では「日本人ファースト」なる不思議な文言が話題になった。シニカルな友人...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第10回/沼野雄司

真の作者が機械を操作する 「抜き打ち訓練は、通常の訓練の3、4倍のエネルギーがかかりますから」(日本地震学会広報紙『なゐふる』より)  7月の頭は、灼熱の日本を脱出して、イギリスの北部、ハダースフィー...
   
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【連載】トーキョー・モデュレーション 第9回/沼野雄司

時計が雲になる なんのために生まれて なにをして生きるのか「アンパンマンのマーチ」  連日、次から次へと仕事が土砂のように降ってくる。しかし「忙しい」とは口が裂けてもいえない。何しろわたしの知人には、...