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今月号から当コーナーでは、2005年がアニヴァーサリー・イヤーにあたる作曲家の紹介を中心にお届けしていきます。筆者のほかにも、相場ひろ氏や増田良介氏をはじめ、さまざまな執筆者が、それぞれこだわりのある作曲家を担当する予定でいます。どうぞご期待ください。
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1回目に取り上げるのは、ロシアのペテルプルグで、1855年5月11日に生まれたアナトリ・リャードフである。こと日本では、かつてムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによるグリンカの歌劇《ルスランとリュドミラ》序曲が伝説的なLP盤に、《ババ・ヤガー》が入っていたこともあり、LP時代からの音楽ファンの場合、リャードフという作曲家の名前を見たことも聞いたこともないという人は、むしろ稀であるのではないだろうか。あるいは、ストラヴィンスキーのバレエ《火の鳥》のディスクを購入すると、ライナーノーツに、「ディアギレフは、当初、リャードフに作曲を依頼したが、進捗状況が芳しくないので、無名のストラヴィンスキーを起用した」といった内容が記載されていることだろう。したがって、リャードフというと、怠け者の作曲家というイメージを抱いている人もいらっしゃるに違いない。もちろん、リャードフ=怠け者というのは、まったくの間違いではないのだが、その59年の生涯に、作品番号にして70近くもの楽曲を残していることも忘れてはならないだろう。
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